『名探偵の密室』
【 ネタバラシはありません 】
『名探偵の密室』
著者:クリス・マクジョージ
訳者:不二淑子
出版社:早川書房(ハヤカワ・ミステリ)
発行年:2019年8月15日
(内容紹介)
かつて少年探偵として名を馳せたモーガン・シェパードは、いまやリアリティ番組で活躍する”名探偵”として数々の事件を解決している。だがある日、目覚めると何故かホテルのベッドに手錠で繋がれていた。周囲には見知らぬ5人の男女が。外へ出る手段がない中、バスルームで謎の死体が発見される。すると突然、備え付けのTVに男が映り、5人の中から3時間以内に殺人事件を見つけなければホテルごと爆発すると告げた。狂気の殺人ゲームが始まる……驚愕の真相が待つ、ミステリの本場英国から新本格派への挑戦状!
〈本場英国から新本格派に捧げる驚天動地の脱出ゲーム!!〉ということで、読んでみました。ホテルの一室という「閉鎖された空間」での推理劇……になるかと思いきや、一筋縄ではいかない展開になっていきます。本書は、過去と現在を行き来します。それらが集約していく経緯をハラハラしながら読み続けました。部屋に閉じ込まれた人たち、全員怪しくなってきます。それよりも、何よりも、本書の主人公であるモーガン・シェパードが良い味出してました。完全無欠ではなく、どこまでも人間臭い感じがたまりません。