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『短篇五芒星』
【 ネタバラシはありません 】
『短篇五芒星』
著者:舞城王太郎
出版社:講談社(講談社文庫)
発行年:2016年9月15日
「許せないんだよ」「りゅ、ふう、……っぐ、りゅう、流産が」。27歳の春、突然流産のことが気になりだした僕。理不尽な赤ちゃんの死が高頻度で起きることに怒り、妄執する男を描いた「美しい馬の地」。他「アユの嫁」「四点リレー怪談」「バーベル・ザ・バーバリアン」「あうだうだう」収録の奇跡の短篇集!
第147回芥川賞の候補作。5篇収録されています。「美しい馬の地」は、流産について妄執する男の話。なかなかにデリケートな事柄を扱うなあ、と震えました。「アユの嫁」は、姉が鮎のもとに嫁いでいく話。筆力の強さを感じました。「四点リレー怪談」は、推理小説好きの私としては本書のなかで一番好き。〈名探偵〉に関心がない人は退屈かもしれぬ。「バーベル・ザ・バーバリアン」は、冒頭から〈俺はバーベル。俺を持ち上げるのはヘルシー鍋うどん。〉で読者に揺さぶりをかけてきます。いやはや。最後の「あうだうだう」は日常系のホラー風味のような物語。舞台が福井県なのは、舞城王太郎さんの出身地だからか……? そして、どの短編も文字のフォントを変えておりました。
と、まあ、久しぶりに舞城王太郎さんの文体にふれて刺激的でした。あと、最近本棚を眺めていたら、学生時代、読書会の課題図書だった『ディスコ探偵水曜日』(文庫本上・中・下巻)を見つけました。近いうちに読もう! と思いました。