『サナキの森』
【ネタバラシはありません。】
『サナキの森』
著者:彩藤アザミ
出版社:新潮社
発行年:2015年1月20日
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第1回新潮ミステリー大賞受賞作です。
これはやられました。帯には〈昭和怪奇譚テイスト×ラノベ的文体〉〈平成生まれの25歳が放つ、新感覚ホラーミステリー〉と書かれています。語り手「私」のパートと、作中作が交互に展開されています。作中作が「昔」の文体のような感じで書かれていますが、それも抵抗なく読むことができました。著者の文章のセンスたるや。
「私」の祖父が残した幻想小説風の怪奇譚が発端で、80年前の「密室殺人事件」の謎を解くことになる……という設定が、個人的にはたまらない展開で良かったです。古代から何度も使われてきた「密室」を、魅力的な謎と趣向で仕上げてる! と思いました。