『透明人間は密室に潜む』
【 ネタバラシはありません 】
『透明人間は密室に潜む』
著者:阿津川辰海
出版社:光文社
発行年:2020年4月30日
(内容紹介)
本格ミステリの魅力と可能性に肉薄する4編。
透明人間による不可能犯罪計画。裁判員裁判×アイドルオタクの法廷ミステリ。録音された犯行現場の謎。クルーズ船内、イベントが進行する中での拉致監禁――。
絢爛多彩、高密度。ミステリの快楽を詰め込んだ傑作集!
再読です。それぞれが独立している短編集です。バリエーション豊かで読みごたえがありました。
■「透明人間は密室に潜む」
表題作。「透明人間がいる世界」という特殊設定を一捻り二捻り……していて、凝っているなあ! と嬉しいつくりでした。
■「六人の熱狂する日本人」
あの作品とあの作品のオマージュかなと楽しく予想しながら読みました。本書では一番コミカルな作品です。「キサラギ」懐かしい!
■「盗聴された殺人」
ちょいと個性的な探偵が活躍する話です。「音」って思っているより重要です。
■「第13号船室からの脱出」
そういえば、最近、リアル脱出ゲームに行ってません。行きたいなあ……。ジャック・フットレルの「13号独房の問題」のオマージュのような作品でした。(それが収録されている『世界短編傑作集』、本棚のどこにあったかしら。)縦軸(脱出)と横軸(ゲーム)がうまく絡み合ってのあの着地点は考え抜かれているなあと思いました。
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