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『FULL POWER 科学が証明した自分を変える最強戦略』

『FULL POWER 科学が証明した自分を変える最強戦略』

著者:ベンジャミン・ハーディ

訳者:松丸さとみ

出版社:サンマーク出版

発行年:2020年1月10日

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 意志力など役に立たない。

 冒頭からパンチの効いたフレーズを放ってきます。自身を振り返れば、スポーツジムに入会しても真面目に通ったのは1か月足らず、日記を1週間以上続けることができない……。仕事に対してもそうです。と、まあ、思い当たることが何個も出てきました。

 著者はそれを否定します。そして、何度も「環境が自分を作る」ということに言及します。〈環境を自分で作り出し、それをコントロールする力〉(p.5)やら〈環境に変化を加えることで、自分の姿を積極的に形作っていくことができる〉(p.11)やら……。本書を読み進めているうちに、「なるほど確かに!」ということ満載で、何だか活路が見出せるような気がしてきました。その一方、現状の閉塞感に対する言い訳の大部分が消滅したので、今後はより一層シビアに向き合わないといけない状況に変わったような感じがします。あなたが環境デザインしないからこんな現状なんですよ~、できるところから環境を変えていきましょうよ~、という声がどこからか聞こえてきます。

 本書ですぐ実践しようと思ったのは、〈8章「サボタージュ」に反旗を翻す 「折れない心」はない。ならどうする?〉で言及された「トリガーのためのトリガー」を作るというところです。本書に記載されている例を挙げますと、〈台所に行ってポテトチップスをつまみ食いしたくなったら、「大きなグラス」で水を一杯飲む〉というように、「失敗に向けた計画を立てる」ことで環境をコントロールしましょう、ということです。これは、私もそれっぽいこと(チューハイが飲みたくなったら、コップで水を飲む)を何かの本で読んでからやっていたので、本書がその行動の意味を補強してくれました。心理学で「実行意図」と呼ばれているようです。課題や勉強をしているときにスマートフォンでSNSを見たくなったら、スクワットを10回する……これを今回から始めます。


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