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「今夜、世界からこの恋が消えても」を高橋担が見た感想

⚠️鬼のネタバレです
高橋担がセカコイを見た感想と勝手な考察(虚妄)をダラダラ書きます

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嘘の告白から始まって、条件付きで付き合うことになった、そんな偽りの2人のキラキラした世界。


数々のデートシーン。言葉選びも距離感も、恋人にしては少しだけ遠いのに、肩しか触れ合ってないし好きとも言ってないのに、こんなにも苦しくてときめくのが不思議なくらい。

海辺も水族館も自転車デートも、青い海に青い空、青がとにかく似合う。
あと、真織が欲しかった髪飾り軽率に渡せる透、お前なあ、、、、、、、(8億点)



デートシーンのメイン、花火大会。

まず真織の水色の浴衣がツボすぎた。
やっぱり青が似合うね。

透への気持ちが追いつかなくて抑えられなくなって、思わず透の手の端を掴む真織。
驚いて振り向く透。
真織は目を逸らしていて、透と目が合わない。そんな真織を見てちょっと考えたあと、端だけ掴まれた手をしっかり繋ぎ直す透。
言葉に出さなくても2人の気持ちが懸命に寄り添おうとしてるのが分かる。ここ5000億点。


気持ちが通っていく感覚、「忘れたくない」、泣き出す真織。そんな真織の涙を回り込んで拭う透。ちゃんと正面から向き合いにいくの、良かった。




「3つ目の約束、破ってもいい?」

真織からの告白。
あー、からの透も僕も限界、破りたい的なこと言ってキスね、くらいの気持ちで見てたら



「僕は、もうとっくに破ってる」




この台詞に全てが詰まってた。あ、心臓って本当に痛くなるんだ、て思った。同時に、自分の安直な思考では到達出来なかった言葉選びに感動した。

透はとっくに好きになってて、それに気づいてて、でも黙ってて。いや、デートとか一緒にいる時の表情から溢れてたし勿論好きなの分かってたよバレバレだよって感じなんだけど、でもやっぱりそういう気持ちをちゃんと持ってて自覚してたんだって改めて分かった瞬間の胸の高鳴り、、、、。

好きって言葉を使わずに好きだという気持ちを伝える、綺麗なシーン。勿論キスもめっちゃくちゃ綺麗で本当に良かったけれど、ここは言葉選びの綺麗さが際立ってた。


手を繋ぐのも、思いを伝えるのもどちらも真織からだった。
これ、私は本当に透が凄いなって思って。
そりゃ普通の恋愛なら男からいけよ!とかあるかもしれないけど、この2人はそうじゃない。

透は自分の恋心に気づいていながらも、真織の事を思った上で黙ってたんだと。気持ちを重ねていける透と、気持ちが毎日ゼロから始まる真織。真織の気持ちがついてくるまで、ちゃんと待ってた。いや、手繋がれた時の反応からして待ってたというより受け入れてたから、まさか同じ気持ちになれるなんて、って感じかな。憶測オブ憶測。

そして真織からの告白に同じ気持ちで返すんじゃなくて、それを「とっくに」という言葉で上回る思いを返した透が天才。そうだよね、ずっとずっと好きだったんだよね、それ、どうしても言いたかったよね。

日々の記録と今目の前の出来事から必死に恋心に辿り着いた真織と、ずっと先にそこにたどり着いていて真織を見守って待っていた透。

この花火大会は2人が思いを通じ合わせただけじゃなくて、それまでの出来事の2人の過程の違いをわかりやすく表していて、ほんっっとうに名シーンってこの事やと思った。





その日の真織の日記から分かる、自分の何を引き換えに出してもいいからずっと透といたいって気持ち。日野の毎日を楽しくしてあげたいって透の気持ち。



ここで主題歌についてちょっと触れたいんだけど、
細かい歌詞考察とかは私の思考じゃ到底無理なのでしないけど、ヨルシカの公式サイトの解説を読むだけで全然聞こえ方変わるのでぜひ。

https://sp.universal-music.co.jp/yorushika/left-right_confusion/


ひとつでいい、主題歌のサビの歌詞の1言目
これ聞いた時に、真織の日記がすぐ浮かんできて、
でもその唯一真織が望んだひとつが存在しえないものになってしまうのが、これが苦しい、、、、、、。

ヨルシカって1曲に言葉を沢山詰め込んでる印象あるんだけど、どれもストレートに伝わる言葉ではなくて、でもゆっくり考えれば言いたいことがちゃんと分かる。その表現は思いつかなかった、そんな綺麗な伝え方があるのかって感心させられることが個人的に多い。

これ、透の言葉にも全く同じ感情抱くんだよね。もしかして透が作詞した?(違います)



お互いがお互いの事を何よりも思っているのに、それがお互いには伝わっていなくて。(透は言葉で伝えてるけど、その言葉のもっと深いところの意味とか、まあそもそも言っても真織は覚えてない、、)

めっちゃくちゃ思いは強いはずなのに見てる側からするとどこか脆く見えて。


その脆さが最後にやっぱり出た。透についての記録は人の手で簡単に消せてしまった。真織を思って、透の意思で消した。


ずっと泣いていなかったのに、泉ちゃんがメモを見て自分を殴りながら泣いてるシーンでとうとう泣いた。泉ちゃん、彼女が1番凄いと思うんですよ。こんなにも友達思い、いや友達思いって言葉で片付けちゃダメだなってくらいのスーパーいい人。そんな凄い素敵な人が、自分を責めるしかない状況。何よりも苦しかった。ずっと自分を悪者にしている泉ちゃんを見ていられなかった。泉ちゃんの心が、この作品の中で1番綺麗だったと思う。



お葬式の写真見て泣く真織とか、誰かわからないのに透の絵を描き直す真織とか、透への気持ちが微かに消えてないところが苦しくて、そこが嬉しくもあった。多分泉ちゃんと同じ気持ちになって泣いてた。ここまであんなに2人が懸命に過ごしてきた日々を見せられてるのに、何も無かったことにできないのよ見てる側は、、、、。


誰よりもいい人すぎた泉ちゃんも、お姉さんも、ご両親も、誰も悪くない。何も悪くない。
悪いものがひとつも無いからこんなに綺麗で、その分何も責められなくて苦しいのか。



最後に記録が復元された所を見て、残すことの大切さを痛感した。自分が日々感じたことをすぐツイートしたり、こうして書いて投稿している事も、地味に地味にいい事なのかもと思った。SNSって悪くないよね。これからもその時感じたことを思いのまま書き記して、読み返して、思い出していきたい。




道枝さんの演技で印象的だったのは、綺麗のベクトルを切り替えていたこと。

普段の道枝さんは私から見たらキラキラしてて綺麗、光り輝いてるって感じ。

透くんは名前通り透明で、ピュアな所はそのままなんだけど、光じゃなくて空気の方が近い。その存在感の薄さが脆さとか儚さとかを連想させる。

特に笑い方の変化は1番刺さった。最初は本当に最近笑うことが無かったんだろうなってくらい気まずい笑い方してたのに、デートの動画では凄く楽しそうに笑うようになってて。

真織が1日を白紙からはじめていくなかで、透は日々更新されていってる、花火大会の時もこの違いを感じたけど、それが笑顔ひとつからも分かりやすかった。

あと、透の陰の部分が濃く出るのが声の出し方、言葉の少なさだと思ったんだけど、それがまた純粋さと真剣さにも繋がっているような気がして好きだった、良かった。伝えたいことが分かりやすい。



神谷透、もとのお顔は現実離れしているけど、それが目立つ方に出るんじゃなくて存在感の危うさになってて、でもとてつもなくときめかせてくれるリア恋要素もありつつ、でもやっぱり存在していないような気がする人。


真織という記憶が消えてしまう儚い存在の横で、
更に消えそうな雰囲気を出せる道枝駿佑の演技力。


あんなに存在感のあるお顔を持ちながら、
ただの男子高校生という、最初の設定はそれだけなのに、そこからこんなにも透き通った存在、忘れられない存在を作り上げたことが凄い。


また主題歌の話になるけど、主題歌がなにわ男子じゃなかったこと、これすっっっごく大事だったなって。めっちゃくちゃ良い意味で。


こんなにも道枝駿佑が、なにわ男子としての道枝駿佑の輝きを消してやり切っている中、最後になにわ男子の道枝さん出てきたら現実に引き戻されてしまう。

あの透くんが透くんとして映画が終わるには、絶対になにわ男子は切り離して欲しかった。これはオタクのエゴ。

なにわ男子の道枝駿佑がなにわ男子をしっかり切り離してくれたからこそ、こんなにも余韻に浸ってしまうし透を好きになれたんだと思う。


もう逃げない、って言葉
透に人間みを感じた言葉。


沢山のことから逃げずに立ち向かった、そんなふたりがとにかく美しい。



結論、綺麗でした。






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