GL掛け合い『南蛮菓子』
南蛮菓子
奥女中 ももち
御小姓 まゆり
まゆり「失礼致します…ももち様、寝支度のご準備が整いました」
ももち「ありがとう……まゆり、あなたもそろそろ半年になるわね」
まゆり「はい、ももち様に拾って頂いた御恩、私は返せているのでしょうか?」
ももち「そんな事、気になさらないで良いのですよ…あ、まゆりこっちへ…」
まゆり「は、はい…なんで御座いましょう?」
ももち「これは今日、正室のしろね様か頂いたものですの…なんでも南蛮菓子らしく…名は『ちこれいと』と言うらしのよ」
まゆり「南蛮菓子…でございますか……炭のような見た目でございますね」
ももち「一緒に頂きましょう」
まゆり「え!?いや、わたくしが頂く訳には参りませぬ…ももち様が頂いたのですから」
ももち「あら、頂いたものなら、誰と食べようと私の自由で御座いましょう?ほらまゆり、口をお開けなさいな」
まゆり「は、はい…あーん……甘い、それにこの香り…とても美味しいです」
ももち「そう、良かったわ…恩義を返せてるか、まゆりはそう聞いたわね?」
まゆり「はい…」
ももち「私はね、上様には興味が無いの…私が興味あるのは、あなたよ」
まゆり「ももち様!滅多な事を言うものではありません!そのような事…上様のお耳に入ったら…」
ももち「あら、仕方ないじゃない…私はあなたに側にいて欲しくて、この大奥に連れてきたんだから…さあ、もう一粒」
まゆり「は、はい…わたしも、ももち様のお側にいさせて下さい…ずっとずっとお側に」
ももち「あら、口に溶けた『ちこれいと』が…」
(リップ音)
ももち「まゆり…私の側から離れないでね」
(リップ音)
まゆり「は…い……」