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髪を切って浅草へ 記録2023
気温を見れば34度の金曜日。
この日は曇っていて、風がちょっとあったもんだから、あまり暑いと感じなかった。体が慣れてきたのかな……と思いつつも、用心のためエアコンを入れて、のどは渇いてないけど水分補給。
午前中に単行本用のコラム3本を書き上げ、推敲して編集さんに送る。1本1900字~2600字と私にしては長め。一度これで感想をもらおう。
髪の毛が伸びてきて、何がなんでもきょう切りたいという気持ちがこみ上げ美容師さんに連絡。運良く16時半に予約が取れたので向かう。行きの電車の中でさっき送った原稿を読み返したら変なところ、書き直したいところがわりに見つかる。やっぱ推敲が浅かったなと反省。
演劇好きの美容師トミタさん、相変わらず仕事がものすごく早い。私の髪がどんどん刈られていくスピーディな仕事を見るのは毎度快感だ。原田美枝子さんの『桜の園』の感想を聞く。
散髪、という昔の言い方が好きでいつも使ってしまう。散髪終了、すっきりだ。切り立ての襟足のごく短いところを手のひらでさわる気持ちよさよ。
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その後に浅草へ。
知り合いのフォトグラファー、衛藤キヨコさんの写真展が開催中の『梅と星』に向かった。仲見世の裏手にあって浅草寺すぐの好ロケーション、広くて立派なお店だなあ。オープンは去年とのこと。まだまだ新店の香りが残って、清潔感が気持ちいい。
梅干しをはじめ、ごはんのお供が1階では販売されていて、食事やお酒も楽しめるカウンターもあり。2階がイートインスペースで、ギャラリー的にも使えるよう。素敵な場所でしたよ。
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衛藤さんの写真は光の感じが独特で、シャープで鮮やかな色の浮かび上がらせ方が印象的だ。にぎやかで雑然としたものを静謐にすくい取るその世界に毎回引き込まれる。
今回は韓国を旅して撮影されたいい顔、いい景色が展示されていた。
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展示を見る前、浅草ウロウロしていたら小さなサンバのパフォーマンスが。やっぱりあの音楽とリズム、気持ちが昂揚していいもんだなと。
雷門近くで歌舞伎俳優の中村蝶紫さんにばったり、驚いた……! なんたる偶然。私たちは日舞の先生が一緒で、師匠のお通夜以来だから、もう5年もご無沙汰してたんだなあ。お互い20代のときからずっと仲良くしてくださる奇特な先輩、しばらく立ち話をたのしむ。来月ぜったい飲みましょうね、と約束して別れる。お子さんがもう小学6年生とな、早いものだ。
ギャラリー拝見後、仲良しのSさん、この日知り合ったデザイナーのTさんと近くのお店で飲む。楽しかった。
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蛇足。
先日、どうしても寿司の『根室花まる』に行きたくなり駆け込んだ。
こちらのグループ、おいしくて値段も高すぎず、シャリが少なめでありがたい。お得なセットを頼んでみたら「あぶらがれい」というのが名前のとおり脂ノリノリでおいしかったのだけれど、私にはもう強すぎてその後ちょっともたれてしまう。加齢の哀しみである。まあでも、致し方ない。あきらめの境地である。同い年で脂もの平気な人も少なくないし、これは個人差だけれどもね。
歳につれ変わる味覚と胃袋にうまく合わせて生きていくしかない、という気持ちになったことを記録。同じ脂感でも、炙りにしんのそれはまったくつらくなく、シメの一貫にしてよかったなと思いつつ店を出る。炙りにしんを噛んだ瞬間笑顔になったんだが、板さんが「おいしいでしょう…?」と笑いかけてきたのが、よかった。こんな立ち食い寿司が駅ナカにある錦糸町の人が心からうらやましい。