【研究メモ】シーズン1 想定ケース(8) 佐藤 かおりさん
「転勤を伴う異動」と「昇進」
今回のケースの大きなテーマは
「異動 と 昇進」
抱き合わせで提示されたという設定です。
個人的にも実際耳にしたことのあるケースで
ご自身が実際に経験したり、
上司がそうだった、という方も多いのではないでしょうか。
2024年2月現在、
「異動 と 昇進」をテーマにしたケースは、
過去119ケースのなかで4ケースあります。
4ケースは、更に大きく
①「転勤を伴う異動」と「昇進」
②「職種変更を伴う異動」と「昇進」
2つに分けられます。
①「転勤を伴う異動」と「昇進」
これは、簡単に言うと
昇進を受けるなら、引っ越ししないといけないと
会社から条件提示されたケース。
今回のケースの相談者も、
通勤に2時間以上かかる新拠点への
異動の内示を受けた、という設定です。
もうひとつの
①「転勤を伴う異動」と「昇進」は
シーズン6(3) ケース79 「昇進と転勤の狭間」
CCt役を受験生まっちゃんが務めたケース。
動物アバターでのロープレ動画です!
このケースも、女性相談者が
昇進と併せて東京から福岡への転勤を打診され
ご夫婦が離れて暮らす可能性について
悩んでいる設定です。
一方、
②「職種変更を伴う異動」と「昇進」
こちらは、転勤は無く、営業部という同じ組織内で
営業事務から営業へ、
サポート役の仕事から、花型職への異動を
昇進と共に、抱き合わせで提示されたケース。
ケース89、ケース104 共に
細かい設定は異なりますが
どちらも営業部内での異動と昇進がテーマです。
一見、
「営業職?昇進?
いいじゃーん ♪ 何を悩んでるの?」と
キャリコンの見立てが入ってしまいそうになるケースです。
シーズン9(2)ケース104で、
受験生ヤマチャンも、そう感じてしまったと、語っていました。
↑ タイムスタンプ6:09
RP冒頭でいきなり見立てが入っちゃいそうになった、と
ヤマチャンが語っています。
ケース89、ケース104 どちらも
簡単に昇進を喜べない
男性社会のなかで働いてきた
相談者のお気持ちが語られています。
お気づきでしょうか。
この4ケース 相談者は全員女性です。
男性が ①「転勤を伴う異動」と「昇進」を
会社から提示された場合、
当然、昇進と自身の引っ越しは受け入れることありきで
後は
家族と共に引っ越しするか
家族を残して単身赴任するか
ご事情に応じて
どちらにするか決めることが
ほとんどではないでしょうか。
一方女性の場合、
そもそも引っ越しを受け入れることができる環境か否か
という問題にぶち当たります。
今回の相談者も
昇進を嬉しく思いつつ、
家庭での役割を理由に
今回の打診そのものを受けるか悩んでいる設定です。
つまりお母さんが単身赴任し、
お父さんと息子達で暮らす生活は
アリかナシか―――
家庭と仕事の両立
そして
女性のキャリアパス形成のあり方
これらも本ケースの もうひとつのテーマと言えるかもしれません。
【以下ネタバレ注意】ロープレ 気になるポイント
来談目的
今日悩んでいることがあってお伺いしました。
実は、上司から今度、昇進して異動の内示を受けたんですけど、
異動すべきかどうか悩んでおりまして。
相談者の中で結論は出ている?
ロープレ前半で
「新しい拠点にへマネージャーとして行ってみないか」という
上司からの打診を受けて
「<正直> 嬉しかったです」と気持ちを語る相談者。
この後、<長いこと>昇進していなかったが
今回上司に推薦されたことや、
産休育休を経て<頑張って>働いてきて
<頑張ってきてよかった>とお気持ちを語っていただき
面談は進んでいきます。
<長いこと>昇進していなかった
産休育休を経て<頑張って>働いてきた
この辺りのお話は、アイスマンも焦点を当てていましたが
産休育休の影響で昇進が遅れる何かがあったのかな、
関連性がありそうだな、と
私はくにゃんは気になりました。
「<長いこと>昇進していなかった、といいますと?」と
問いかけることで、お話いただけるかもしれません。
RP中盤で、
「単身赴任しかないとは思っているんですけど」
「家事をしなければいけないので どうしようかな」
「断ってしまおうか それしかないかなって」
と、今回の打診に対してのお気持ちが一気に出てきます。
しかも、相談者は
「断るしかないのかな」と
今回の話の結論のような想いも語っています。
この言葉を受けて、皆さんだったら
どんな問いかけをしますか‥?
キャリコンの見立て
動画概要欄にも記載されているのですが
今回キャリコン役のアイスマンは、RPの中で
「気になることは?」という質問を何度か問いかけています。
この時のアイスマンのお気持ちを想像すると
「まだお話いただいていない悩んでいる理由が
他にあるのではないですか?」という
キャリコンの見立てから、出てきた質問なのではないかな、と。
アイスマンの質問の意図性も 分かる気がします。
今回の相談者の方は
「断るしかないのかな」と結論のような発言をしているけど
今日、なぜわざわざ相談に来てくれたのか
相談者のお話したい焦点はそこにあるのかな、と。
これは私はくにゃんの見立てですね。
「見立てることは悪いことではない」と
ジャンさんも言っているとおり、
お話を聴いて、当然見立ては出てきます。
その見立てが
相談者のためになる見立てになれば——
相談者がお話したいことを
話せる問いかけに繋がれば——
そんな風に考えます。
私はくにゃんだったら
「断るしかないのかな」という言葉を言語的追跡しながら
断る決断ができず、
来談目的の「悩んでいる」気持ちを改めて
問いかけたいと思います。
相談者の方が、昇進を断るにしても
悔いの無い決断ができるようお手伝いできるといいな、と
感じたロープレケースでした。
ジャン・一のキャリコン研究所 シーズン1 ロープレ音声動画へ ↑
気になるポイントは人それぞれ。
「ご自身だったら」の視点で。
一緒に学んでゆきましょう。