忘れたとしてそこにある傷を
忘れっぽいところがある。
と、思っていた己の性質は。
自己防衛のため、記憶に蓋をしているだけと気がついた。
母に泣いてぶつけた気持ちを受け止めてもらえずに
一人で泣いていた幼い私をふいに思い出して。
忘れていてごめんと、涙が止まらなくなった。
家を出て一人で暮らそうと思った、一年前のこと。
思えば小学校も高校も一時は保健室登校をしていた。
そうしたくなるようなことがあったけれど、
大人になった私はその頃の私には目を向ける余裕もなく、
蓋をすることで必死に生きてきたのだと今