サカサマのパテマを見た
せっかくなので見たものとかについてちゃんと記録を残そうと思って書く
note、なんとなくスッゲェことを書きたい!みたいな気持ちになりがちで全然日々の日記的なコンテンツとして続けられないんですよね
ともかくパテマだ
U-NEXTで見た
気になってたんだけどずっと見るタイミングを逃してて、作業用に垂れ流すかと思ってiPadで流し見をした
ここからは普通にネタバレのオンパレードなので何も知らずに観たいって人は一旦お別れ
見終わった後にまた会いましょう
まぁ言うて大したことは言ってないんだけどね!ワハハ
サカサマのパテマ、どんな話かは作品紹介を見てもらったら早い
一応ざっと書くと、重力が反転した世界の少女と少年が出会ういわゆるボーイミーツガールものだ
少女パテマは地下世界で暮らしていて、侵入禁止区域の探索をしていたときに何者かに襲われ穴に落ちてしまう
少年エイジは穴から空に向かって落ちていくパテマと出会い、彼女を助ける
そして2人で世界の真実を探すことになる、みたいなやつだ
ここからは私の取り止めのない感想
パテマの最初のシーンというか周囲とのやりとりを見て、自分が大人になってしまったことを実感した
何故なら、パテマが抱いている世界を知りたい!こことは違う場所へ行きたい!いう気持ちに共感するより先に、世間知らず故に周囲に迷惑をかけることを厭わず反発ばかりするというところに引っかかりを覚えてしまったから…
自分が10代だった頃を思い返せば私は間違いなくパテマだった
狭い田舎で生まれ育って「ここではないどこか」にずっと憧れて、親に反発もしたし中学高校と短期・長期留学もさせてもらって、大学は地元を離れたくて都会に出た
外に行きさえすれば何かが変わると思っていた
でも別にどこに行ったって私が劇的に変わることはなかったと思う
今の私は、別に現状も悪くないじゃんと思って日々過ごしている
どこかに行きたい、世界を知りたいという気持ちより、なんだかんだ言っても現状の平和を維持したいという気持ちの方が勝るし、周囲の言っていることだって一理あるじゃんと思う
周囲の意見もきちんと聞いて客観的に考えた方がいいよって思う
でもこの気持ちって多分10代やあるいは20代前半では抱けないものでもあるんだろうなと
周りが見えていないガムシャラさがあるからこそできる事もあるだろうと
だから冒頭を見てパテマが自分のことばかり優先でその上周囲に守られることにあぐらかいてるな…という気持ちになってしまって、その気持ちを抱いた自分に気付いて、なんだろうなぁ、がっかりした
過去の私がこんな大人にはなりたくないと思っていたかどうか、実際もう覚えてないんだけど、でも今の私はふつーーになっちゃったな、みたいな
一か八かの冒険に憧れるより日々を平穏に過ごしたいと思っていることに落胆したのかもしれない
正直パテマが彼女から見たサカサマの世界に落ちてエイジに出会って話しているあたりで視聴をやめようとかと思った
そのくらいパテマがわがままに見えてしんどかった
でも流し見だしとりあえず最後まで見ようと思って、エイジが学校行かなきゃ!って言って学校のシーンに移った瞬間登校方法がやば過ぎて二度見した
学校までの通学路がエスカレーターになっていて、その上に等間隔に生徒が立って直立不動で運ばれていく
そのシーンを見て頭に過ったのは「出荷」という文字だった
衝撃的だなあれ…
そこからはパテマとエイジ、地下世界とアイガ(エイジの世界)が絡まり合いながら進んでいくんだけど、敵キャラがめちゃくちゃ気持ち悪くてそのヤバさにパテマに対するモヤモヤが吹き飛んだ
びっくりした〜〜〜!!地下世界の住人を罪人と見下し忌み嫌いながらもパテマに執着して自分に縋れって迫るのマジで気持ち悪かった
全てがそこに持っていかれた
後から調べたらイザムラって名前なんですね、作中で出てきてた?ひたすらにやばいやつだったな
なんとなくノートルダムの鐘のフロローを思い出したのは、声の感じだろうか
喋り方がね、なんか…粘着質なんだよな…ぜひみんなもパテマ見て聞いてほしい…
空に落ちるという演出、個人的にはめちゃくちゃ怖いっていうか、地に足がつかない恐怖ってあるよな…という気持ちになった
地底も怖いんですけど…空も怖い…私は個人的に宇宙が怖い人間なので空に落ちると言われた時点でめちゃくちゃに恐怖を感じる
アイガの民と地底世界の民が手を取り合うとお互いに落ちることなく世界を移動できるの、いいなと思った
いがみあうより手を取り合う方が好きなので
でもそれと同時にそのまんまの意味で世界が違う人間が一緒に生きていくのってマジで難しいよなとも思う
片方が地に足をつけられる世界は、片方が落ちる恐怖を感じ続ける世界だ
だからこそ交わらないことが平穏を享受するためには必要だったのかもしれないとも思う
あと、話がどんどん進んでいくにしたがって空に落ちたり地に落ちたり、どっちがどっちで何が何?ってなるんだけどこれは演出であえてそうしてるのかなって思ったり
最終的に、サカサマの呪い(作中では呪いという言葉は出てこないけど)にかかっていたのはエイジたちの世界の人間だったということが明かされる
「空を作る」という概念がすごいんだよな
空っていうか世界か
世界を作ってそこでなら生きていけるようにした、みたいな
強迫観念的なまでの、空に落ちた人間は罪人で空に落ちなかった我々は選民なのだという理想も、世界が分かれた当初は自分たちが落ちた側だって理解していたのに何故自分たちがという納得できない気持ちから認知の歪みで認識が反転しちゃったのかな、とか
サカサマになっちゃったのかな
最後、本当の空を見つけてハッピーエンドみたいな感じだったけど、個人的にはこれからひたすら混乱が続くのでは…と思う
パテマとエイジがそのまま手を取り合っていくのか、あるいは1番心が近い存在として互いを尊重しつつも人生を沿う相手は同じ重力の世界を生きる人間を選ぶのか、それはわからないなと思った
もう私は大人になってしまったので、世界が違う人間と感覚を擦り合わせて都度都度常識を話し合いながら生きて行くのはしんどいなと思う
あぁでもどうなんだろう、作中で地底世界とアイガの血を混ぜるわけにはいかないってヤバおじさんことイザムラが言ってたけど、二つの世界の人間の間に生まれた子供はどうなるんだろう
もしかしたらそこに活路があるのかもしれないのかな
個人的には完全なハッピーエンドとは言えないけど、面白い作品だった
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という感想を書いて下書きに入れてから実際に公開するまで2年?経った?!マジか…
思い立った時にやらないと本当に何もできないまま終わっていくな…!
だけど、2年ぶりに自分の書いた感想を読んでみて普通に面白いじゃん……って思うので、書き残すことは後々の私にとって有意義なのかもしれない。
過去の私の断片を見て、へぇ~面白いこと考えてたんだな~って思うのは結構楽しいですわね。