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データサイエンティストは今後もスーパープレイヤーであるべきか?

データビジネスデザイン事業本部でデータアナリストとして働いている永松幸倫です。
普段は、小売系アプリの施策で分析を行なっております。
今回はデータサイエンティストの自己実現と役割をテーマにコラムを書いていこうかと思います。

データサイエンティストとは

どのようなデータサイエンティストになりたいかを語る上で、まず初めに理解しておかなくてはいけないことは、そもそもデータサイエンティストの定義が曖昧であるという点です。
計算機・WEBの発達に伴い膨大なデータが蓄積され、データ活用のニーズが急増したデータサイエンス黎明期(2010年代初頭)から、データの収集からクレンジング、インサイトの抽出、サービスに反映するに至るまでを一気通貫して担うスーパープレイヤーを指して「データサイエンティスト」と呼ぶようになりました。
上記のような成り立ち故に、データサイエンティストの領域は制限がなく、悪い言い方をすれば「データ何でも屋」という側面が現在でもあります。

データビジネスの発展

一般企業でも保有するデータの利活用が注目されだした昨今、各企業でデータサイエンスを完結できるように様々なデータ関連サービスが提供されるようになりました。
また、知識の少ない人にもデータサイエンスの恩恵を受けられるようにと「データサイエンスの民主化」を掲げたツールの開発、導入競争が盛んに行なわれるようになってきています。
しかしながら実情は、便利になった反面、氾濫したサービスやツール群を一個人で把握しきるのは不可能に近く、一度習得したツールであったとしても、アップデートや仕様の変更で再学習を余儀なくされる場合も多々あり、昔のように、ある程度個人のやり方で「データ何でも屋」対応するのが難しくなってきました。

データサイエンティストの分業化と組織化


一方でデータサイエンスはまだまだ発展途上であり、日々新しい手法が生み出されています。
全方位にアンテナを張って、最新の知識と上記のようなサービスの利用を両立させるようなスーパープレイヤーとしてのデータサイエンティストはもはや現実的ではありません。
各個人の対応領域を限定し、領域内で集中した知識蓄積を行なったプレイヤーを育成し、要求に合わせ有機的にチームを編成する「組織としてのデータサイエンティスト(一気通貫)」というやり方のほうが今後求められてくるでしょう。

※データビジネスにおける領域区分の一例  
データサイエンティスト組織の一員として、どの領域を通じて課題の解決に貢献するプレイヤーになりたいか?  
環境を最大限利用し、より大きなデータ価値を導きだせるのは、そのような考え方が出来る人ではないでしょうか。