
福岡から東京へ。環境を変え大規模案件と向き合う若手ディレクターの奮闘
Webディレクターとしてプロジェクトの全体管理を担う木下 稜。マーケティングオートメーションツールも活用しながら、スキルを磨いています。前職では、Web制作会社に勤めていた木下。転職を機にどんな変化があったのか。博報堂マーケティングシステムズの魅力とは。リアルな声に迫ります。
培ってきたコーディングスキルを活かし、Webディレクターとして活躍

2020年に博報堂マーケティングシステムズに入社した木下 稜。Webディレクターとして、要件定義から開発のディレクション、クオリティ管理まで、一連の業務を担当しています。
木下 「私は前職でWeb制作会社に勤めていて、ディレクター兼コーダーとして実際に制作も担当していました。そうした経験があるので、開発寄りのプロジェクトにアサインされるケースが多いです。クライアントのニーズをもとに、どのようなサイトやプラットフォーム制作すべきか検討し、エンジニアやデザイナーがプロジェクトを進める上で全体管理をしていく形です。
最近では、ディレクター業務に加えて、マーケティングオートメーションツール(以下、MAツール)、CRMツール等マーケティングテクノロジー製品の導入支援・運用にも携わっています。2軸で業務にあたることで、知見が広がるため、それぞれの視点をもとに制作や運営でどう活かすことができるかを考えるようにしています」
前職時代からWeb制作に携わってきた木下。仕事をする上では、クライアントに寄り添うことを大切にしていると話します。
木下 「当社では、フロントに立ってに提案を行うプロデューサーというポジションと、とともに制作を進めていくディレクターというポジションに業務が分かれています。
プロデューサーはどちらかと言うと当社側の視点に立って、納期やコストなどを調整する役割があるため、ディレクターである私はクライアント目線でコミュニケーションをとるようにしています。業務の性質上、どうしてもお客様との間に発注側と受注側という壁ができてしまいそうなこともありますが、できる限りその垣根を取り払って『一緒に作っていきましょう』というスタンスを保つようにしています」
転職したことで得られた変化──チームメンバーとともに大規模案件に挑む

学生時代、Webブログの流行を目にしたことをきっかけに、Webの世界に惹かれていったと言う木下。専門学校でプログラミングを学んだのち、Web制作会社でキャリアをスタートさせました。
木下 「WordPressというCMSを使ったWeb制作を主体としている会社に入社しました。会社の規模も、案件の規模も比較的小さかったため、制作から運用保守まで一通り担当していました。
新卒で入ったこともあり、慣れるまでは最初は大変でしたが、自分ひとりで案件を回せるようになったときには『スキルがついてきた』という実感が持てましたね。もともと、いつかは東京で働きたいという気持ちがあったので、転職を決意しました」
転職活動を始めた木下は「上流工程に携わること」を軸に定めます。
木下 「前職の会社では、制作と運用までを担当していましたが、クライアントと直に接点を持ち『なんのためにWebサイトを作るのか』『Webサイトを通してどんなことを達成していきたいのか』といった戦略を練るところには携わることができませんでした。全体感を持ってWeb制作がしたいという想いがあったため、そこに当てはまったのが博報堂マーケティングシステムズだったんです」
入社後、木下が一番最初に手掛けることになったのは大手化粧品メーカーのサイト。Webディレクターとして、運用や改修に取り組みました。
木下 「転職して大きな変化を感じたのは、案件の規模です。前職時代は地域に密着したような中小企業が多かったのですが、博報堂マーケティングシステムズのクライアントは誰もが知るような大手企業。体制としても1案件1ディレクターではなく、1案件につき2~3名のディレクターが入ります。今までずっとひとりで仕事をしていたので、すごく新鮮な気分でした」
新たな環境、新たなクライアントと向き合い始めた木下。複数人のチームで関わるからこその学びもありました。
木下 「ディレクターが1名で進める際には、ひとりが全体像を把握しておけばスムーズに物事が進むのですが、チームで取り組むとなればそういきません。デザインをどのように統一していくか、どうスケジュールを進めていくかなど、しっかりと相互にコミュニケーションをとる必要がありました。以前と比べて、社内コミュニケーションの重要性を感じるようになりましたね」
お客様の要望を丁寧に拾い上げ、0から信頼を作っていく

最初の案件が無事に完了したタイミングで、木下は経験を活かせる開発寄りの案件でのディレクターを任されることになります。
木下 「前任である先輩社員が、企画から開発までひとりでできるような優秀な方だったのですが、その方の引き継ぎという形で案件に入ることになりました。6名ほどのチームで、エンジニア・デザイナー・ディクレターがいる中、全体のまとめ役を期待されたポジションでした」
早いタイミングで裁量のある役割を担うことになった木下。慣れない中での苦労を経験しつつも、少しずつプロジェクトを前に進めていきます。
木下 「まずはメンバーとコミュニケーションを取りながら、情報を整理することからはじめました。前任者ができる方だった分、仕事が集約され、属人化している部分があったため、誰が何を担当すべきか、どうスケジュールを組むか、あらためて整理をするところからはじめました。
お客様とのコミュニケーションにも苦労をしましたね。大規模なクライアントと話すことにまだ慣れていないので、それだけで緊張しましたし、社内独自の用語も多くて、最初は会話についていくことで精一杯でした。かつ、お客様側のベンダーも入っている案件だったので、そちらとも連携しながら全体を把握していきました」
最初の1カ月は目まぐるしく過ぎ、2カ月目、3カ月目と経つ頃から、クライアントとの関係性が変化してきたと言う木下。
木下 「引き継ぎとなり、お客様にも不安はあったかと思いますが、だんだんと信頼をいただけるようになったと感じています。
信頼をいただくためには、簡単なようで難しい話ですが、お客様が求めていることをしっかりと聞いて、一緒に進めていくことが大切です。『来期にこんなことをやってみたいけど、どれくらいかかりそうかな』なんて、ざっくりと聞かれることもあるのですが、前提が決まっていないと見積もりもできないと思うんです。
そういったときに『なぜそれをやりたいんですか』と細かく目的をヒアリングしたり、『こんなことが起きるかもしれませんが大丈夫ですか』と懸念点をお伝えしたりすることが大切です。 こうした積み重ねの中で、お客様からも『助かったよ』という言葉をもらえるようになりました」
チャレンジングな案件ながら、クライアントの信頼を獲得し、チームをまとめあげていった木下。現在も同案件にて新たなアップデートに向けてプロジェクトを進めています。
木下 「お客様とベンダーの打ち合わせにも呼んでいただけるようになり、『3社で話しましょう』といった一緒に制作をすすめる体制がつくれています。
大規模クライアントに向き合い、直接深く入り込んでディレクションしたり、プロジェクトをまとめたりするのは初めての経験でしたが、その分、大きな成長ができたと感じています。バックエンドのベンダーも優秀な方ばかりなので、そういった方々と一緒に仕事をする経験は貴重だと感じています」
自由度の高い環境。リーダーシップを胸に成長していく喜び

2023年で入社3年目となる木下。博報堂マーケティングシステムズで働く魅力について、このように語ります。
木下 「案件の規模の大きさはやはり魅力ですね。取り組める幅も変わりますし、関係者も増えるので、貴重な経験ができると思います。
その他の点で言えば、まだ新しい会社なので、ルールがきちんと決まっていないところがあるのも魅力です。ルールが未定と言うと一瞬ネガティブに聞こえるかもしれませんが、決してそんなこともありません。自分たちでいろいろ決められるし、風通しの良さもある。すでに決まっていることもリーダークラスの人と話すときに『ここが困っています』と言えば、すぐに改善につながります。
仕事内容についても、何をやってみたいのか意見を聞いてくれる環境です。自分の望むキャリアに向けて、上司が親身に話を聞いてくれます。たとえば昨年からBrazeというCRM製品とTreasure DataというCDP製品の導入プロジェクトを担当しているのですが、やってみたいと手を上げて参加しています」
働き方の面では、休みの取りやすさが魅力だと言います。
木下 「決まった休みを取りたいときには取れることがいいですね。1案件をひとりで担当していない効果はここにもあるのかもしれません。有給とは別に『フリーバカンス制度』というのがあり、半期に5日、連続の休みが取れるのですが、みんなが活用している印象です」
こうした環境に適している人材について、木下はこう続けます。
木下 「この会社は『自分で案件やプロジェクトを推進していきたい』と感じるリーダーシップのある人に向いていると思います。自由にやれる部分が多いので、そういう人には楽しいはずだと思います。
私自身、早くから挑戦をさせてもらいましたし、ここからの舵取り次第でいろいろな方向に行けるとも感じています。これまでやってきたWeb制作に携わりつつ、新たにMAツールについても学んでいるところなので、これからも幅を広げつつ、何を選択するのかを模索していきたいです。
あとは、もし私みたいに地方から東京に出ることを考えている方がいたら、ぜひおすすめしたいですね。さまざまな案件や情報がありますし、新しい技術にも積極的に携わることができます。最近はリモート面接が一般化していて、数年前と比較しても転職活動は格段にやりやすいはずです。ぜひ一歩飛び出して、経験の幅を広げてみてください」
現状維持ではなく挑戦を選んだことで、エキサイティングな仕事に出合えた木下。持ち前の行動力と丁寧な仕事で、お客様の期待に応え続けています。
※2023年4月時点のものです