
エンジニアからプロデューサーへ──問題の本質を見極め、新たな価値を創造す
音楽活動からエンジニア、ディレクター、そしてプロデューサーへ。異色の経歴を持つ安永 多聞は、現在博報堂マーケティングシステムズでプロデュース職として業務に従事しています。数字とシビアに向き合い、新たな価値提供をめざす安永。その経験から、当社の魅力や価値を語ります。
ベンチャーから大企業までを経験し、博報堂マーケティングシステムズへ

学生時代から始めた音楽活動に熱を入れていた安永。10年ほど続けた後、活動の限界を感じ、20代後半でエンジニアへの道へ転換しました。最初に入社したのは、10人ほどのWeb制作のベンチャー企業。そこでエンジニアとしての実践を積み上げていきました。
安永 「1社目はHTMLの制作などを行っている企業にアルバイトとして入りました。年齢的にも普通より遅いスタートだったということと、当時の会社の状況からエンジニアとして突き詰めていくのではなく、上流の工程であるディレクションや管理の立場の業務も行うようになっていきました」
そんな経験を経て、転職した2社目ではディレクターとして採用され、エンジニアの知見を活かしつつ、案件の管理などの業務を5年ほど担当。通信販売事業や教育事業を行う企業のECシステム開発のPMを任されるようになりました。
安永 「システム開発案件を担当する中で、よりその領域の専門性を高めたいと思い、3社目にシステム制作をメインに行う企業に転職。一年ほどシステム開発の知見をためてから、プロジェクト管理の業務に戻ろうと考えていました。そこで出合ったのが、博報堂マーケティングシステムズです」
それまでの経歴で博報堂との協業業務を経験していたことで、雰囲気や風土が少し掴めていたことは、転職のひとつの理由だったと言います。
安永 「現在の会社に入社する前から、博報堂グループのことは理解していて、人を大切にする文化は自分に合うと思っていました。また、私自身がベンチャー企業ならではの雰囲気が好みなので、創業から間もない企業を希望。そして、マーケティングもシステム制作もどちらもできるという点で、今の会社に入社を決意しました」
数字に対してストイックに。大きな枠で案件を管理するプロデューサー職

2023年4月現在、博報堂マーケティングシステムズには4名のプロデューサーが在籍しており、主なミッションは「クライアントへの提供価値を高め、事業を育てること」。それを達成するための業務を日々行っています。
安永 「ミッション達成のために、大きく2つの行動をしています、ひとつは新規の営業活動や提案活動。新しいクライアントを獲得するというところです。二つめが、博報堂マーケティングシステムズの既存クライアントへの新たな提案活動。基本的な運用や案件管理は、ディレクショングループが担当しています。
既存のクライアントも社会の情勢やクライアントの状況によって、ニーズや課題は変わってくるので、それを察知し、新しい提案をしていくというのが私たちの大きな役割です」
新たな提案活動を行うことで、そこから派生する案件や追加で発注をいただくこともあります。
安永 「クライアントの製品やサービスのキャンペーンのときに、デザイン性の高いランディングページやコーポレートサイトなどのいわゆるオウンドコンテンツの制作も行いますが、Webの制作だけではなく、システムが絡むような案件も業務の範囲です。
たとえば、ECサイトだと、ユーザーの顧客情報を取得し 、最適な情報を提供できるようなしくみまで作っていきます。月並みではありますが、クライアントの課題に対して、最もシンプルで有効な施策を実施していくということをモットーにして提案や制作を行っています」
クライアントの課題から、その後の売上やユーザーへの最適化など、問題の本質を見極め、そのための提案を行うことが重要だと話します。その根底にある安永のプロデューサーとしての考えはなんなのでしょうか。
安永 「依頼されたことから、その本質的な問題を考え、お客様に新しい気づきや価値を常に提供し成果を出していくことが理想だと思ってます。そうすることで、博報堂マーケティングシステムズの価値も、上がっていきます。
私自身の根底にあるのは単純に、生活者へ高い価値を提供し、クライアントの事業に貢献すること。その結果として、新たな案件のご相談をいただくという三方よしになるのです。クライアントに対しては、ストイックかつシンプルに、本質的課題を解決できる提案に挑戦し続けていくことが大切だと考えています」
クライアントの課題や依頼の本質を見極め提案

実際にコミュニケーションのプランニングまで携わり、同社の価値を高めたと語る案件があります。
安永 「大手メーカー様の案件で、もともとはシミュレーションサイトの制作依頼でした。ですが、そもそもこのサイトには、どういう行動で、どのような人が訪れるのか、というところまで深掘りして検討し、ユーザーの情報検索動機、検索行動、サイト来訪後の挙動を仮定し、UXの整理まで話を広げました。
その結果、単純な制作依頼からデジタルコミュニケーションの設計をトータルしてご依頼いただくことができました。提案として、博報堂マーケティングシステムズの柔軟性を提示できて、価値を高めた事例だったと思います」
クライアントの依頼を受けるだけではなく、課題を深掘りして、より効果的な提案を行っていく。そうすることで、クライアントも本質的な課題を解決することが可能に。このように、売上として提案の価値や答えが返ってくることがプロデューサーとしての醍醐味だと安永は語ります。
安永 「この仕事の一番のやりがいは、さまざまなレスポンスが返ってくることだと感じています。クライアントや私たちの売上が上がるのもレスポンスですし、実施した施策に対する一般ユーザーからのレスポンスも垣間見れる。自分たちで企て、実行したことのレスポンスが、返ってくるというところは、とても楽しいですし、やりがいを感じています。
音楽活動の醍醐味もライブでのお客さんのレスポンスだったので……。ずっとレスポンスを求めてやってきたのかもしれません」
制作やマーケティングにとらわれず、分析やシステムといった分野を提案に盛り込み、その領域を広げつつある現在、安永自身もシステムを使って、クライアントの課題を解決する領域の拡大は目下の課題だと言います。
安永 「先ほどの案件のような提案の幅を広げて、会社の価値を高める活動は必須です。とくに、システムを使ったしくみ作りはまだまだ発展途上で、売上の3割程度にとどまっています。そこを5割程度まで引き上げていくことが会社としての直近の目標です」
大企業とベンチャー企業の両方のマインドが重要

当社が携わる業界は、働く人々の入れ替わりも多く、終身雇用のような考え方を持つ方はほとんどいないと安永は自身のキャリアを振り返りつつ話します。
安永 「私自身はシステム領域も好きですし、マーケティングも好きです。なので、その辺りには関わり続けたいと考えています。現在は、博報堂マーケティングシステムズをさらに大きく成長させていく、その実績を積んでいる途中の段階。その後のキャリアの選択肢は自由に考えていきたいと思っています。
定期的に、社長と1on1の面談があり、そこではフランクに話すことができるので、こういった自分の考えを素直に伝えられる環境があります。社内はしがらみが少なく、トライしやすい環境ですので、その点は、ベンチャー企業のような雰囲気もあって、私には合っているなあと感じますね」
博報堂のグループ会社の中では、比較的コンパクトな規模の会社であるため、自分自身で新しい分野を開拓していく自立心を持った方はこの会社にマッチしていると語ります。
安永 「博報堂マーケティングシステムズ自体がまだまだ小さい会社なので、一緒に大きくしていきたいと考えている方とぜひ、一緒に仕事をしたいです。そういうベンチャーマインドは必要だと感じます。
一方で、博報堂グループの一員として、しっかりとしたビジネスマナーや対応スキルは必須です。大企業とベンチャー企業の両方を経験した方は、その経験をハイブリッドに活かすにはベストな環境だと思います。そのあたりのバランスの良い方にはマッチするはずですのでぜひ」
※2023年4月時点のものです