
ステップアップするために。シニアディレクター中山の日々を追う
博報堂マーケティングシステムズ(以下、HMS)でシニアディレクターとして働く中山 恵。ご縁やつながりを大切に毎日の業務やクライアントに真摯に向き合い、課題解決のために全力を尽くします。柔らかな物腰の中にも、強い意志や秘めたる想いが垣間見える中山から、日々のやりがいや課題などの本音を引き出しました。
変化を恐れず、積極的に新しい世界に飛び込んでいく

2023年3月現在、HMSは役割ごとに部署が分かれており、案件によって各部署からメンバーをアサインしてチーム体制を組んでいます。プロデューサー集団であるプロデュース部、エンジニアが一堂に会するプラットフォーム設計部、デザイナーによって編成されるデザイン部などがあり、中山が所属するのはディレクション部です。
中山 「その名の通りディレクターが集まる部署で、案件の制作進行や企画進行・運用のディレクションが主な業務です。WebサイトやSNS、マーケティングソリューションなど、デジタルやマーケティングに関わる案件に幅広く携わっています。このような体制になったのは、実は比較的最近のことなんです」
2017年10月に設立したHMS。当初は各プロジェクトでチームを組んでいましたが、案件ごとに集中してチーム全体で取り組める反面、プロジェクト内でノウハウやナレッジが閉じられてしまうという点は否めませんでした。現体制になり、同じプロジェクト以外の人ともコミュニケーションを取る機会を持ち、各々が自身のアップデートを図っていけるようになったと言います。
中山 「現在の体制になってからは、刺激を受けることがかなり多くなりました。これまで以上にいろいろな案件に関われるようになったこともそうですし、専門の知識を持った方たちと直接コミュニケーションをとることで、学びも多いです」
現在は、シニアディレクターとして日々業務を行う中山。直接クライアントとの打ち合わせに参加し、そこで相談した内容をチーム内で共有、調整し、実現に向けて進めていくこと、そして後任のディレクターを育てることも、重要な役割のひとつ。その中で、大切にしている価値観があります。
中山 「大切にしている価値観は、積極的に関わる・変化を楽しむということです。 ご縁やつながりというのは、仕事に限らず大切なこと。コロナ禍をきっかけに当社ではほぼリモートでの業務になり、お客様との打ち合わせも基本オンラインですが、社内の体制が変わったことで以前よりも多くのお客様とのお付き合いが増えました。『良いな』とピンとくることがあったらまずは飛び込んでみる、積極的に関わる、ということを私自身、常に意識しています。
新しいことに挑戦するには、変化が必要ですよね。もちろん新しい環境で不安になることもありますが、会社としても個人としても、成長するためには何かしらの変化がないといけないと思っていますから。何か変化を迫られる際にも、どれだけ自分の中でポジティブに捉えられるか、といった点も、自分の中のテーマです」
ご縁やつながりこそが、自分をステップアップさせてくれた

大学では情報学部を専攻してWebに関する知識を深め、IT業界をめざし就職活動をしていた中山が最初に入社したのはWeb制作会社でした。メルマガの制作やシステムのバージョン管理などを担当した後、Webディレクターとしての一歩を踏み出しました。
中山 「携帯キャリアの法人向けサイトの制作ディレクション運用が、私のディレクターデビューでした。主に制作進行やスケジュール管理を担当したのですが、データ分析のスペシャリストや敏腕ディレクター、プロデューサーの方々の背中を見ながら、クライアントの課題解決方法などを学ばせてもらいました。期間としては4~5年だったでしょうか、今思い返しても、本当に貴重な経験ができたと感じています」
その後、博報堂マーケティングシステムズに転職することになった中山。きっかけは、尊敬する先輩のアドバイスでした。
中山 「当時、データ分析やアナリストの経験があり、周囲からも信頼されて頼られる先輩がいました。一緒に仕事をしていて常に刺激を受ける、私にとっても憧れの存在。その方から、博報堂マーケティングシステムズがマーケティング領域に力を入れている、という話を聞き、とても興味を持ちました。何より、これも私が大切にしているご縁やつながりだなと感じたんです。転職することで、新しいチャレンジができることにワクワクしましたね」
こうして当社へ2018年に入社。大手自動車メーカーの企画・制作のディレクションや運用、顧客マーケティング提案などを担当してきました。
中山 「大きな案件で、私のほかにもディレクターが4名、プロデューサー1名、エンジニア、デザイナー、マークアップが各1~2名ずついる体制でこれまでやってきています。正直、当時はディレクターとしてはまだまだ経験不足の状態で入社したのですが、大きな案件に携われたことで、さまざまなスキルはもちろん、1to1でお客様との関係を構築していくことを身をもって体験することができました」
ノウハウを社内で共有し、自己も会社も大きく成長させる

やがて、着実にキャリアを重ねた中山は、全体を見て案件を進めるシニアディレクターへとキャリアアップ。入社当初から関わっている自動車メーカー以外にも、現在では別クライアントの案件にもジョインし、接客ツールの導入ディレクションや運用、解析、改善提案などを担当。加えて、新規案件の相談や提案も並行して行っています。
中山 「部署の体制が変わったこともあり、仕事の幅がぐっと広がりました。『このクライアントには、こういったことを提案していけばいいのではないか』と多方面から考えられるようになったことは、自分としても成長したかなと感じています」
印象に残っているのは、メインクライアントである自動車メーカーでのエピソード。1to1の対応やブランド戦略をしっかり練った上でマーケティングをするという大きな課題がありました。
中山 「博報堂の営業チームや分析チームと共に、顧客への個別マーケティングを提案しました。たとえば『Webサイト上でお客様のこんな動きがあれば、このようなメールをフォローで送りましょう』『こういう場合には、お知らせ情報を盛り込んだポップアップを出しましょう』といった具体的な提案を週1で続けていったんですね。それが、すごく楽しくて。実際に提案した企画がクライアントの担当者の方にいいねと言っていただけて採用されたときは、本当に嬉しかったです。
さらに、提案したことによって購入検討をされる方が増えたといったフィードバックをもらうと、クライアントへ貢献できたという自分自身の達成感につながります。ユーザーとなるお客様にも、良い出会いやきっかけが提供できたのではと感じています」
プロジェクトで成果を残したことは、社内で共有する。そして会社としてのノウハウが蓄積されていき、次の案件へとつながっていく。もちろん中山以外のメンバーの成果も次なる成果へとつながり、好循環が起こっています。
中山 「とても良い流れですよね。さらには、社内での共有はもちろんですが、入社当時から、自分のディレクターとしてのスキルや経験を、自分より若い人へのフォローに活かせるよう意識してきました。新しくジョインした若手のメンバーを見ながら、少し前の自分を思い出してどこか懐かしい気持ちにもなりながら(笑)。
『こんなふうに進めたらいいよ』などアドバイスをしてきたのですが、私も勤続年数が長くなってベテランと呼ばれる立場になり、かつてアドバイスをしたメンバーは、次々と独り立ちをして、大きな規模の案件を担当して進行できているんですよね。そんな姿を見ているとやはり嬉しいですし、大きなやりがいを感じます」
この会社で体感できるのは、チームプレイの奥深さ

日々新しい挑戦を続け、社内のノウハウの蓄積に貢献している中山。今後は、どのようなチャレンジをしていきたいのでしょうか。
中山 「もともとはクリエイティブ、ものづくりが好きだなと思っていたのですが、今はその先のユーザー体験を作る部分に興味があります。そのためには、マーケティングツールを使いこなし、ユーザーの行動を捉え、それぞれに合った情報を提案することが重要。つまり、言葉にすると当たり前過ぎますが、お客様ごとにもっとも適した提案内容を考えなくてはいけませんよね。
いろいろなツールや手段を講じて検証した結果を、社内に還元しつつ、よりクライアントに合った1to1のマーケティングを実現させていくこと。これが目下のミッションです」
一方で、後輩の指導を行う中山の胸の内も尋ねてみました。
中山 「自分が専門としていること……好きなこと、得意なこと、活躍してみたいことにどんどん挑戦してほしいです。そもそも当社自体が、各々が得意なこと、興味があることを積極的に伸ばしていきましょう、という社風なので。
とはいえ、最初から専門的に注力していきたいものが定まっていない人も多いはず。私自身もそうでした。いろいろな案件に携わっていくことで、おもしろいと思えること、得意かもしれないと自信が持てることに出会えるはずです。そんなサポートもしていきたいですね」
最後に、これから博報堂マーケティングシステムズに入ろうと考えている人へ、この会社で働くおもしろさを聞いてみると、「チームプレイ」という言葉がかえってきました。
中山 「自分の強みや専門性を突き詰めることはもちろん必要ですが、それだけに注力するのではなく、他の分野の専門家、スペシャリストたちとチームを組んで案件を進めていく楽しさを、ぜひ味わってほしいです。会社にはたくさんのクライアントがいます。本当に多種多様な案件があるので、きっと心から楽しめる、興味を持てることが見つかると思いますよ」
会社としても個人としてもさらなるステップアップに向けて、中山は自分にはない考え方、得意分野を持つ仲間を心待ちにしています。
※2023年3月時点のものです