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書道界でのパクリについて
春の陽気になったかと思えば、梅雨先取りなん?みたいなお天気になったり…言い尽くされた表現ですがこの時期は何着たらいいか分からない問題が発生します、、白峰です!
今日はタイトル通りパクリ問題についてのお話。
芸術に携わる以上避けて通れないのがオマージュなのかインスパイアなのかパクリなのか問題であります。
これはクリエイターかアーティストか問題にも関わってくるので、この2つの生業についてはこちらの方が仰っていることで定義させて頂きます↓
是非この方の解説を読んで頂きたいのですが(素晴らしい)かいつまんで言うとアーティストは「自分から見える世界を提示する。」クリエイターは「多くのユーザーに求められるものを創り出す。」ということです。
おそらくパクリは両世界に存在すると思いますがクリエイターを上記のように定義すると多くのユーザーが求めるもの(よいと思うもの)はどうしても類似してきてしまうのでは?というのが持論です。
人が潜在意識下で心地よいと感じるリズムや美しいと感じる配色、レイアウトみたいなものは存在する訳で、決まったテーマ、素材をつかってあるものを表現しようと思ったら高いスキルを持つ人であればあるほど似たものを作ってしまうのではないかと。
ただ、そこを踏まえてなお他とは違ったもの、一歩先を行くもの、を作ること出来る人こそがプロのクリエイターさんなのだと思います。
ではアーティストはどうなのか?
自分から見える世界を提示する、のがアーティストの使命であれば他とは異なる自分であることが最も大切なのではないでしょうか?
書家はアーティストなのかクリエイターなのか問題もありますが、たぶんそこいらへんは書家の中でも分かれると思います。
アーティストたる書家もいればクリエイターたる書家もいるはず。また創作時はアーティストとして、オーダー時はクリエイターとして、という方も多いのでは?
かくいう私も自分自身を上記のように考えています(というより、そうありたいと生きています!)
前置きが長くありましたが、本題の書家のパクリ問題。
まず書をどう評価するか愛でるか、ですがそりゃ線の美しさや、いかに紙と墨がマッチしているかとか色々あります。が、その際たるは字の形ではないでしょうか。
他のジャンルに明るいわけではないので、明言しかねるのですが、どんなジャンルでもまず真似る、ということが基本になると思います。
ピアノでもデッサンでもダンスでも基本がありますよね。
書道でも「臨書」という先人が書いた字を真似して書くことが第一歩です。まずは字の形、次に線質、最後にその時の気持を汲んで練習します。
(先人たちが残してくれたテキストはたくさんあるので永遠に勉強ではあります)
書いた人によって字形も様々で、なので褚遂良風に書いてみました!とか良寛風の書体です!というのがまかり通るのが書の世界です。
※褚遂良も良寛もそれぞれ中国、日本の偉人です。
これはオマージュに定義されるものではないかと考えます。
他の芸術の世界ではどうなのでしょうか?
もしよかったら教えて欲しいです!
そんな真似することがヨシとなる書道界、むしろ臨書したことない書家はかなりアウトローです。
そうそう!たま〜に誰にも師事することなく独学、もしくはその圧倒的センスで至極の作品を作り出す天才がいますが、天才についてはここで割愛。
字の形についても先程お話したある程度多くの人が「美しい」と思うバランスがある訳なんですよね。
なので一字だけ書く場合はちょっと似てきたりするのが事実。
多字数になると個々の字の崩し方(字の形)とその組み合わせで表現の幅が広がるので作品の仕上がりも十人十色になっていきます。
そして結局は線の芸術である以上、字の形をいかに真似てもその人だけの線質(腕の動き)があるのでパクリにはならない、つはりはパクリは存在しないというのが書道界の認識なのかな〜考えています。
ただ、ちょくちょく目にするんですよね。現存の書家様が書かれた字をそのまま真似した作品。
もちろん鍛錬として真似することはよいことなのですが、それを展覧会に出品したりSNSにUPしていたりはダメだろ〜と思います。というよりそこまでの(力量の)人か、と思ってしまいます。
現存の方のを、というのがダメなんでしょうね。
もちろん書家はたくさんいるし、よいものは似通う理論もあるので偶然一緒になることもないとは言い切れないのですが見る人が見たら分かるものです。
もしかしたら自分もしてしまっているかも、と恐怖を感じる時もあります。
ですがやはりパクリ、絶対ダメ!