コーディネーター・アラジンのブログ #99 三段紅葉
Three-tiered autumn leaves
今回は、美しい白馬の秋一番の景色を紹介します。
この時期、晴れると学校の窓から美しいアルプスが見えます。
こんな日は、外に飛び出して、じっくり美しい山を見たくなります。
まず、学校から歩いて7,8分で行ける大出の吊り橋。姫川に掛けられた吊り橋のバックに見事な北アルプスが見えます。有名な写真スポットです。
吊り橋を渡って、北に行くと、集落がとぎれて、広い田んぼに出ます。
ここからは、大糸線の向こうに学校が見えます。バックは左手前が八方尾根。スキー場が見えますね。左端にはジャンプ台も見えています。ゲレンデ以外は紅葉していますね。
そこで、秋晴れの10月中旬、みなさんにもっと三段紅葉を紹介したくて八方尾根に登り、八方池まで足を運びました。
夏の1年生の白馬岳への学年登山の前の、予備登山として八方池まで登るのが毎年の行事なんですが、今年は、あいにくの悪天候で、本番もそして予備日も登れず中止になっていました。
今回はそのリベンジということにもなるのかな? 夏の八方尾根ならたくさんの高山植物が目を楽しませてくれたはずですが、秋となると、また違った美しい紅葉が見られます。
前の週に降った山の上の雪の白、その下の紅葉の赤、ずっと下の紅葉前の木々や常緑樹の緑が揃い、「三段紅葉」が見られました。
まずは、ゴンドラに乗ります。
ゴンドラを降りたところが、標高1400mの兎平(ウサギだいら)
さらに1本リフト(アルペンクワッドリフト)に乗ります。
ここは海抜1680mの黒菱平。 長野オリンピック女子滑降のスタートハウスがあります。また、鎌池湿原があります。
さらに、もう一本、グラートクワッドリフトに乗ります。
リフトの乗って左手に五竜岳と鹿島鑓岳のテッペンが見えてきます。
下の斜面も美しく紅葉しています。
最後のリフトを降りると、1830mの八方池山荘に到着です。
白馬村営の山荘で、築60年を過ぎ、2029年オープンの新築山荘の計画も議論されています。
(安全な展望デッキやカフェの併設は今や当たり前でしょうが、他にも図書館などの複合施設建設なども別に予定され、財政的な問題があり、計画がスムーズに進むかは不透明です。)
この辺りまで登ると、条件がよければ、東南方向の八ヶ岳の右に富士山が見えます。この日は、丁度その辺りに雲があって確認できませんでした。
ここから先は、歩いて登ります。途中に歩きやすく整備された木道もあって、多くの人が訪れます。1時間で第2ケルン近くまで、残り30分で八方池に到着。もう少し早い時期ですと、沢山の高山植物の花が見られますが、この時期は花は終わっています。
八方尾根は2100m付近まで超塩基性岩の蛇紋岩でできていて、化学的には、高濃度のニッケルやマグネシウムが含まれ、それに耐える植物しか育たず、また物理的には、蛇紋岩は風化しやすく崩れやすいので植物の定植に向いていません。そのため、亜高山帯森林植生を欠き、低いところからハイマツなどの高山植物が見られ、逆に2100mより高いところが堆積岩でできているため、ダケカンバやミネカエデの林が見られます。こうして通常の植生の垂直分布が逆転しています。おかげで、容易に高山植物のお花畑を楽しむことができるわけですね。
八方池に到着。
絶好の日和で、大勢の人が登って来られていました。
おまけ1.望遠レンズ
途中で、望遠を効かせて、いろいろ眺めました。
眼下には学校や寮がよく見えました。
また、岩岳の山頂をズームアップすると、ブランコに乗っている人や展望デッキの人混みが見えます。
白馬岳山頂を見ると、白馬山荘がはっきりと見えました。
おまけ2.後日の三段紅葉
このブログを書いてから、天候が悪くなり、冷たい雨の日がありました。
そしてその翌日、想像通り、山はグッと白くなりました。
この時期、日々風景が変わります。こちらの写真もお楽しみください。