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コーディネーター・アラジンのブログ #82 夏の花2
flowers in summer 2
お盆も過ぎましたが、全国的に暑い日が続いています。まあ、白馬は、昼間こそ暑いですが、夜はやっぱり涼しいですね。このお盆の時期にも白馬村では、JR白馬駅前で夏祭りが開かれたり、15日にはウイング21で「二十歳の集い」あったり、あちこちでイベントがありました。二十歳の集いでは同級生が久しぶりに顔を合わせ、小学校時代のスライドショーの上映もあって、当時を懐かしんだそうです。
あいにく、私アラジンは、この1週間は大阪にいて、暑さと、台風7号の強風と戦っていましたので、この間の白馬の記事は書けません。m(__)m
実家の台所の窓ガラスが空き家の隣家の壁が崩れたために割れたりして、多少の被害が出ました。まもなく100歳の母をお盆に施設から家に連れ出そうという計画もこの台風で吹っ飛びました。( ´•︵•` )
白馬に戻って、こちらの家々の間隔の広さに、ホッとしています。都会のように隣の家の壁が迫ってはいませんからね。
さて、8月20日に「(白馬村)里山を愛する会」の夏の観察会がありました。白馬村長の丸山さんも参加され、「白馬村全部が自然公園である」というのを一番の観光の売りにしようと盛りあがりました。
圃場整備で畦道が広げられ、石垣が撤去され、用水路にU字溝が使われ、自然がどんどん失われていっていることを憂い、残された土堀りの自然度の高い水路と豊かな生態系を守っていくように行政の協力をお願いしました。
今回は、前号に続いて、この観察会で見られた「夏の花」を紹介します。
白馬でも非常に珍しい花 ★★★
やや珍しい花 ★★
白馬ではよく見かける花 ★
オケラ ★★
昆虫の(オ)ケラではありません。こちらはキク科植物のオケラ(朮)。
下の写真は総苞に包まれたツボミで、これから白い花が咲くそうです。
万葉時代から「宇家良」(ウケラ?)の名で詠まれているくらい、古くから親しまれている植物だそうです。知らなかったなあ。
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ヤハズソウ ★
名前は葉っぱの特徴からきています。小さな葉っぱですが、引っ張ると葉脈に沿ってちぎれますが、その切り口がに矢筈(やはず:矢の末端の弓の弦をひっかける所)の形なっています。下の写真でお分かりですね。
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タムラソウ ★
アザミと似ているが、葉や茎に棘が全く無いのが特徴。
田村草ではなく、「玉群草」が語源らしい。たくさん花をつけるからでしょう。
花言葉は「あなただけ(が好き)」
ジャスミンにあげようっと!
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ツリフネソウ ★
花の形は帆掛け船吊り下げたように見える。
また、花の後ろの渦巻き状の所を距(キョ)と言うが、蜜が沢山あるようで、蜂がこの花の奥まで入っていくところをよく見かけます。
学名をインパチェンス・・・というのは、種が熟すと勢いよくはじけることから、impatience(我慢できない)なんだそうです。
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ウメバチソウ ★★
梅鉢草。夏の花というより秋の花かな。まだ蕾です。梅の花を思わせるような白い小さな花が咲きます。
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ユウガギク ★
柚香菊と書きますが、柚の香りは感じられませんでした。
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オオカサモチ ★
花が終わって、種もほとんど飛ばしています。次のシラネセンキュウに似た花をつけますが、背丈はこちらがずっと大きいです。シラネセンキュウとは葉の形が異なります。
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シラネセンキュウ ★
白根川芎と書くそうです。
ツボミから花が咲く様子が面白いのですが、写真にとっていないのが残念。
先端の蕾は苞に包まれていて、蕾も花柄もごっちゃに固まっているのが、だんだんほどけて展開していくんです。
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ゲンノショウコ ★
ドクダミ同様、どこにでもあって、薬草として古くから知られていますが、この花がそうなんだと知る人は少ないようです。
「現証拠」とは、飲めばすぐに治るという所から来ているそうです。
花は小さいけど、よく見るととてもかわいいですね。
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オトギリソウ ★★
綺麗な可愛い植物ですが、名前の由来が怖いですね。「弟を切る草」と書きます。
「弟切草」の由来は、春頼(はるより)という名の鷹匠が秘密にしていた薬草を弟が密かに洩らしてしまったことに激怒し、弟を切り捨ててしまったという伝説から来ているとか。生薬として知られています。
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トンボソウ ★★
花がトンボに似ているからトンボソウというのですが、花の終わった下の写真からは分かりづらいですね。ラン科の植物。
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ミヤマウズラ ★★★
写真の個体はまだ小さいですね。もっとすらっと高く伸び、花がたてに並びます。地面の葉が鶉に似た斑模様になっているところから名付けられたようです。これもラン科です。
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ワレモコウ ★★
この花の名の由来も面白いですね。源氏物語や徒然草にも登場するそうで、いろんな由来説があります。キク科の木香(モッコウ)に似た香りがするので吾木香という説や、神様が赤い花を集めていた時に「我もまた紅なり」と申し出たという説などさまざま。吾亦紅。
写真は、花が終わった後ですね。このままドライフラワーにすることができます。
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カワラサイコ ★★★
主に河原などの砂地に生える植物。ここが扇状地だった名残でしょうか?
これは、圃場整備で失われる前に畔に移植したものだそうです。
都道府県によっては、絶滅や絶滅危惧種に指定されています。
生薬の柴胡(サイコ)の根に似ているところからつけられた名前。
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スズサイコ ★★★
同じく全体が柴胡に似ているところと、蕾が鈴のように見えるところから付けられた名前。
花は夕方に咲き、一晩中さいています。観察会は午前中だったので花は見られず。
環境省・長野県ともに準絶滅危惧種に位置付けられています。
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番外編
ウワミズザクラ(実)★
これは花ではありませんが、ウワミズザクラが赤い実をいっぱいつけていたので紹介します。
名前に桜が付きますが、普通の桜と違って、白い小さな花が集まったブラシのようで、満開の頃には木全体が白くかすんだように見えます。
白馬高校の中庭に大木があって、2階や3階の廊下の窓からよく見えます。
名前の由来も諸説あって、占いのさいに使用した材の上に溝を掘ったとか、裏に溝を掘ったとか。上溝桜・裏溝桜がなまったという。
私の場合、白馬に来てこの桜の名前を初めて聞いたときは、「ウワミズザクラ」なのか「ウワズミザクラ」なのか混乱していましたが、由来を知って混乱がなくなりました。
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