見出し画像

コーディネーター・アラジンのブログ #118 21歳の自分史(2)

My Journey at 21

《前号からの続きです。》

イタリアやタンザニアの話を一通りした後、生徒たちに質問がないかを聞きました。

生徒:その民族とは何語で話すのですか?
出井さん:いい質問ありがとうございます。スワヒリ語なんですが、ゴゴ族にはゴゴ語というのがあって、挨拶なんかめちゃ長いんですよ。「こんにちは!」「元気?」で済むところを、そのあと「健康か?」「美しいか?」・・・といっぱい続くんです。教えてもらいました。
言語の繋がり大事ですね。

ゴゴ語GoGoGoって面白いですね。何語?ごごご。

休学中にしていること

そのあと、現在大学を休学中であることを話しました。
このまま大学に行っていても自分の身になるのかと思い、これまで出会った大切な人たちとゆっくりした時間を取りたいと思い休学を決めました。アフリカ行きで心配をかけた人たちにもありがとうと伝えたくて、この休学を人との繋がりに使おうと1年間旅をしています。

それでもただ旅をするのではなく、手形を集めているそうです。

手形を集めることで新しい出会いがたくさんできるそうです。外国の方でも興味を持ってくれそうですね。ただサインくださいじゃなくて、手を押し当てて、ペンで手の形をなぞって、名前や住んでいる都市や好きな言葉やら、その人らしさを表す言葉を書き添えてもらうだけなので、たくさん集められそうですね。質問してみたら、手形集めは自分で思いついたそうです。

この講演の後も、たくさんの生徒や先生方や、取材に来たケーブルテレビのカメラマンさんも手形を書きました。
出井さんには貴重な宝物になりそうですね。

講演後、たくさんの生徒が手形を書いてくれました。


実は、彼女は4月から今月まで、小学校時代を過ごした青森県で暮らしていました。休学を決めて旅に出ようとしたときに、青森の祖母が病気で余命もわずかだと聞いて、旅をやめて、青森で祖父母のために時間を使おうと農業を手伝っていたそうです。すこし仕事に余裕ができたので、旅を再開し、地域の人の交流センターに顔を出すようになったそうです。

私の住んでたところは、何もないと思っていたけど、いろんな面白い人が実はたくさんいることに気づきました。みんなも、地元に帰ったときとか、面白い人はたくさんいるので、白馬で出会った人にも声をかけるようにしたら楽しいかなと思います。ただし、変な人もいるので、そこは見極めてください。

前号の冒頭に書いたように、彼女は地域の人にも親しまれ、青森の交流館で一日館長をして、この自分史を語る機会を地元の人たちからもらったんでしたね。

21年間をふりかえって

最後に、21歳の今、感じること、気づいたことをまとめてくれました。
彼女の優しい語り口は人を動かす力があるように思います。動画でお見せしたい所ですが、ここでは文字でお伝えします。

●21年間振り返って、やっぱり私の人生では人との繋がりが大きくて、人と繋がることで自分の人生が開けるし、新しい道がたくさん現れました。選択肢がひろがりました。
●自分が笑顔になれる居場所づくりが大事で、今ここにいると楽しいという場所ならいいんですが、無かったら自分で作るのもありだし、旅をしてここがいいなあ、帰りたいなあという場所が一つでもあればいいと思います。
●観光と暮らしは違います。楽しいなあと思っても暮らしてみるとまた違うので、そういう違いも面白いなあと私は思っています。
●人生は、迷うことが多いと思うんです。大学どうするとか、でも迷ったらあっこれ楽しそうと思った方を選べば、自分が生き生きできます。
●「迷ったら楽しい方を選ぶ」に繋がりますが、意味付けは後からでもいい。どうしてそれを選んだのって聞かれるけど、その時そんなの分かるわけないじゃんと思うときもあるんですね。だから自分がそれを全部やってみて、ああこういう意味だったんだな、これができて良かったんだなと思えたらそれが一番いいと思います。
●人生の道はいろんな枝分かれがあるけれど、どれも正解で、選んだものを自分で正解にしていったり、こうやって動くとまた新しい選択肢が出てくるから、みんな悩みがあるかも知れないけど、それを大切にしいってほしいと思います。
●ここには書いてないけど、今日みなさんに出会えてほんとに嬉しかったです。ありがとうございました。 (拍手)

このあと質問がいくつか出ました。
司会をしていた私は、迂闊にも、彼女の講演を受けて、生徒に向かって「今日の話を活かして、君たちも彼女に負けないくらい・・・」と言いかけたら、叱られました。

いいえ、私と比べるとかじゃなくて、自分がこれがいいと思うものを選んで、大人の人にこうしなさいとか、こういう道がいいんだよと言われて、自分は違うなと思ったら、それを退けても、自分が責任を持てるなら、自分の思う道を進んで欲しいなあと思います。
こういう話とか、先生方の授業とかを聞いて、えっどうなの?って思ったら、自分をバネにしてチャレンジしてみたら絶対楽しくなるので、みんなの夢がかなうといいなあと思っています。
私も自分でやりたいこと分かんないから探しながら生きて行こうと思っています。

その通りですね。
彼女より、半世紀長い人生を送っている私も、おおいに元気をもらうことができました。