薔薇の家

とある神社の表参道。
入口近くの場所にある。

風情ある建物は
ツタとトゲに覆われる。

そのトゲは、
見るものに薔薇である
ことを告げる。
それは見るだに痛々しい。

今、ピンクの薔薇が、
咲きほこる。

「間に合ったのね。」

といわれたように、
花びらは満開だ。

その美しさで

見上げる人の顔に
笑みをつくる。

見上げる人の心に
やさしさをつくる。

見上げた人は
シャッターを押す。

しあわせを
思い出すために。