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Photo by
chakabe_okb
詩 冬の入り口
朝、起きて洗濯をする
少し日陰になってるベランダは
冷蔵庫のように冷え切る
そこに洗濯物を干す
みるみる凍ってしまい
カチコチに固まった
思わず笑ってしまう僕
そんなに寒いのかと
息を両手に吹きかける
白い息は出なかった
*
こんなに寒いと感じる冬も
僕の記憶の中の冬の寒さとは
なにか少し違う
僕の田舎はもっと寒くて
水道管は凍ってしまい
吐く息はいつも白く
ストーブ1台しかない部屋は
部屋の中でも息が白かった
*
人の体は辛いことには慣れないけれど
楽なことにはすぐに慣れ
そして元には戻れない
めったに雪の降らないこの辺り
すっかり僕の体は暖かさに慣れて
冷えた空気に僕の体は悲鳴を上げる
まだ冬の入り口だというのに