俳句 北風と太陽と桜

前書き

右手から冷たい北風が吹き抜け、
左手から暖かな太陽が照らす。
北風に背を向けて、
太陽に顔を向ける。
顔を上げて、光を浴びる。
心が温まり、柔らかくなる。
桜の木が土手の上に並んでいる。
葉の一つもない桜が並んでいる。
蕾はまだ固い。
桜たちは一枚も葉をつけずに、
美しいピンクの花をいきなり咲かせる。
ピンクの花と赤い蘂を散らせた後に、
ようやく緑の葉をつける。
まるで時の流れに逆らうように。
花をつける度に時が遡ればいい。

俳句

北風と 太陽の間に 僕がいて

春近し 蕾膨らむ まだ咲くな

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