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俳句 小寒

前書き

川辺の土手を歩いていると
冬の虫がジージーと鳴く
おだやかに流れる川面
鴨の親子が波紋を描く
羽を大きく広げた白鷺が二羽
川辺を白く染めて飛んでゆき
後から黒雁が二羽
追いかけながら黒く染める
前から年輩夫婦とすれ違い
後から自転車の家族連れに
追い越される
陽の光を浴びた枯れ芒は
金色に輝いて
宙に舞う綿毛はゆっくりと
目の前を漂い過ぎる

僕の前を通り過ぎるものは
僕にいろんな感情をくれる

俳句

冬の虫 手袋脱ぎ 耳澄まし

小寒や 見つめる綿毛 陽に透ける

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