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詩 夜と悪魔

心の奥底に押し込んだ悪魔は

僕が力いっぱいドアを閉めてるから

昼はそこから出てこない

昼の忙しさの中で

僕も悪魔を忘れてる

でも心の奥に棲む悪魔は

たしかにそこに棲んでいる

夜の12時を回ったころ

僕が気がつかないうちに
悪魔はドアをこじ開ける

すっかり眠って無防備な僕の
こころの中に入りこみ
僕のこころを食い荒らす

スカスカに穴が空いた
僕のこころ

寒さに震え
飛び跳ね起きる

冷たい風が吹き抜けて
人の温もりが欲しくなる

けれども僕には温もりがなくて
布団の周りをウロウロ歩く

そんな僕を悪魔は見つめ
僕のこころを
その冷たい手でにぎる

落ちていく感覚と

叫びたい衝動と

泣き出したい感情が

いっぺんに溢れて
僕は自分を留められない

先は考えない

昔も想わない

今だけを

今だけを

今だけを

この言葉を呪文のように
唱える

悪魔をとじこめるために

寝不足の朝

いつものように昼はくるけど

心の奥には悪魔が棲んでる

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