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do_like_her
詩 夜と悪魔
心の奥底に押し込んだ悪魔は
僕が力いっぱいドアを閉めてるから
昼はそこから出てこない
昼の忙しさの中で
僕も悪魔を忘れてる
でも心の奥に棲む悪魔は
たしかにそこに棲んでいる
*
夜の12時を回ったころ
僕が気がつかないうちに
悪魔はドアをこじ開ける
すっかり眠って無防備な僕の
こころの中に入りこみ
僕のこころを食い荒らす
スカスカに穴が空いた
僕のこころ
寒さに震え
飛び跳ね起きる
冷たい風が吹き抜けて
人の温もりが欲しくなる
けれども僕には温もりがなくて
布団の周りをウロウロ歩く
そんな僕を悪魔は見つめ
僕のこころを
その冷たい手でにぎる
落ちていく感覚と
叫びたい衝動と
泣き出したい感情が
いっぺんに溢れて
僕は自分を留められない
先は考えない
昔も想わない
今だけを
今だけを
今だけを
この言葉を呪文のように
唱える
悪魔をとじこめるために
*
寝不足の朝
いつものように昼はくるけど
心の奥には悪魔が棲んでる