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詩 赤い月

地平線の少し上に見える、
大きな、大きな、赤い月。

それはまるで、襲いかかるよう。

天空高い所に、光る月は、
僕たちを、じっと見守ってくれている。

けれど地平線の赤い月は、少し怖い。

じっと見てると、月の中に吸い込まれ、
吸い込んだ僕を、パクっと、食べて、
赤く染まってる。

僕は、この月に魅入られる。

とても低い場所に出る月だから、
少し歩くと隠れて、
すぐに、見えなくなる。

今、このとき、この場所で、
特別に見れる月。

人の心も、おんなじだ。

いつもは、見えない心。

今、このとき、この場所で、
特別に見れる心はある。

それが本当の姿か、
錯覚なのか、
僕には、きっとわからない。

偶然、その心に遭遇したら、
きっと僕は、魅入られる。

そして心は、
すぐに、見えなくなる。

赤い月を見ながら、
その妖しさを思う。

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