詩 雲月 其の二
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「詩 雲月」の其の二です。
序 月のない夜の情景を詩にしました。
僕と、切れそうな蛍光灯と、月の関係を
二首で表現しました。其の一は、以下です。
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月のない夜
温い空気と
滑るような風
肌に纏わりついてくる
耳には微かに虫の声
薄暗い夜に浮かんでる
ゆったり流れる時の中
僕の胸は痛くなる
目に飛び込む
明滅する灯り
切れそうな蛍光灯
チカ、チカ、と瞬いて
静かな夜の邪魔をする
僕の少しの苛立ちに
隠れていた月が
ゆったり顔を覗かせる
雲のすき間から
僕の方を眺めやり
フッと、
僕をあざ嗤う
また雲に隠れた月を
僕は目で追いかけて
もう一度
現れるのを待つ
だけど月は現れない
いつまでも
ひとり立ち尽くす
少しだけ痛い
胸を抱えて