
Photo by
yukiko160830
エッセイ ゆめのひと
久しぶりに、夢をみた。
僕は電車に乗ろうとしている。
君に会うために。
何故会うのかは、わからない。
でも、あの駅で待ち合わせしている。
君の思考がわかる。
君も僕に会うために電車に乗っている。
どうしてか、わからないけど、
僕は電車をまちがえてしまう。
乗り換えて、電車を乗り継いで、
約束の駅に向かう。
君も電車を乗り継いで、
約束の場所にむかう。
中々着かなくて、じれったい。
君はもう、僕を待っているだろう。
駅につく。
改札にいくと、君が待っている。
初めて見る君は、とても不安そうに僕を見る。
とても古風な顔立ちと、清楚な佇まい。
僕を見つけると、
目に涙を浮かべて、
僕の肩に顔をあずける。
じんわりとにじむ涙のあたたかさ。
目を上げると、
そこに僕を待っていた君がいた。
その目は、何も言わなくても、
すべてを語っている。
僕は何も言わず、君を抱きしめる。
あふれるよろこび。
ほほえむ君。
僕は君と歩きながら、
ふと、自分の白髪が目に留まる。
ああ、そうだったと現実を思い出しながら、
別れが近いと感じる。
ここで目覚める。
残る余韻。
君は誰なのか。
なぜ夢に現れたのか。
うつろな頭でぼんやり考えながら、
忘れないうちに書きとめる。
まだ暗い。
時刻は4時半のこと。