詩　燕

青空が広がる。

陽ざしはやわらかく暖かい。
穏やかな陽気の中を、
ひとり、
歩く。

公園で遊ぶ親子。

うれしそうに
散歩する人たち。

空は青く、青く、
木々は緑に生い茂り、

川は昨日降った雨を飲み込み、
濁濁と流れてく。

橋にはいくつもの鯉のぼりがかかり、
風に吹かれて翻ひるがえる。

そこへ、

一羽の燕が空から舞い降り、
僕の目線まで降りてくる。

正面から飛んで来て、
ぶつかる直前で体を躱かわす。

見事なまでの体さばき。
美しい滑空。

気づくと、
空高く舞い上がり、
真っ青な空に弧を描く。

僕は
ひとり、

青空を見ていた。