詩 夕立ち

陽が暮れる

空が黒雲に覆われ
風が吹き荒れ

生暖かい
土の匂いを
運んでくる

その匂いに
懐かしさを感じたとき

空向こうで稲妻が走る

一瞬の光に
緊張が走り

一瞬の後に
雷鳴が響く

稲妻は
幾度も光と緊張を走らせて
雷鳴を響かせる

僕は顔に雨を浴び
風の吹く方を見る

そこでは
少し青い空が見える

夕立ちは
僕の街に訪れ

雨と、光と
緊張を運んで
過ぎ去った

僕の鼻の奥に
土の匂いだけを残して

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