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【創作物語】約束

バレンタインの時に本命チョコを貰った事はありますか?バレンタインと病院を掛け合わせて、非常に簡素ではありますが、物語を書いてみました。
(本編)
幼馴染の亮太が大学入試共通テストが終わった後に体調不良で、既に3つの大病院で診てもらったが原因不明としか結果が出ないので、今は病院で安静にしている。しかし、体力が少し落ちてしまったようで、毎日学校帰りにお見舞いに行っているだけでもはっきりとその事がわかる。幼稚園の頃から同じだったので、この前の冬休み明けに、大学も同じ大学に行こう、と約束したばかりだった。
『もうじきバレンタインだし、久々にチョコをあげてみるか〜。でも、亮太からすると普段仲良くしているクラスメイトの一人に過ぎないなら、いわゆる「友チョコ」に該当するのだろうか?それともお見舞いだろうか?どのように受け止められるんだろう。…まあ、気付くか知らんがあとは鈍感なアイツが気づくかだなぁ。』
 次の日、デパートに行くと綺麗なチョコに目が向いたが、それでは自作ではなくなってしまうと思い、材料として名治の板チョコを数枚購入して早速チョコ作りに取り掛かった。
『普段、料理していないから、難しいなぁ』
板チョコを相手に四苦八苦してやっと少し不恰好だが、チョコが完成した。
 そして2/14。包装したチョコを片手に、お見舞いのため病院に行った。珍しくその日は亮太の体調が良く、直接本人に手渡すことが出来た。
すると、亮太が「約束を覚えていてくれたんだ!」と喜んでくれて嬉しかったが、本命と気付いてくれたかどうかはわからなかった。
 1週間後、良いニュースが飛び込んで来た。原因究明はまだできていないらしいが、亮太の体調が段々良くなっているらしい。
そして、2月の終わりに亮太が退院した。そして、なんと大学の後期日程の試験で合格したので、同じ難関私立大学への進学が決まった。
そして、3/14。
チャットアプリで亮太に近所の富士見台北公園へ来てほしいと頼まれた。
「亮太〜、久しぶり!」
公園で待っていた亮太は心なしか少し元気になっていた。が、普段は手提げ鞄を使わない彼が今日は何故か使用している。
「どうしたの?」
「久しぶり、…昔、よくこの公園で遊んだよね〜。」
明らかに何か隠そうとしている口ぶりだが、バレバレだ…。
「リョータ、手荷物検査です!」
「な、なんで?」
「手荷物検査ごっこ。最近の子供達の間で流行してる遊びらしいよ」
「いや、ちょっと…」
「もう、何か渡そうとしてるの分かってるから!」
「えっ…。また、バレたか…。ほい、照れ臭いからタイミング図ってたのに…」
銀座の有名店のマカロンをくれた。
『なるほど、2/14のお返しかぁ。』「ありがとうね。」
「こちらこそありがとう。まさか、あの約束を覚えていてくれたなんてね」
「ああ。あの時聞き忘れていたけど、なんの約束だったっけ?」
「えっ!覚えてなかったの〜?去年、僕に渡しそびれて、「「来年は絶対に渡すから今年は他ので代用させて」」って懇願してきたのはどこの誰ですか〜?」
「あっ!そっ、それは誰だろうなぁ〜www.」
大学入学後、2人は付き合い、2人だけの楽しいキャンパスライフを過ごしました。(終)

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