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オプチャでチケット譲ってもらってVaundyのライブに行った話

Vaundyが好きで、情報収集のためLINEのオプチャに入っている。
いつも、チケットに当たったとか落ちたとか、好きな曲は?とか、たわいももないファン同士の情報交換チャットだ。
その日もなにげなく、仕事の合間にふっと見ていたら、「〇月〇日のチケットが余ったので、行ける方いませんか?」という投稿が目が留まった。

つい10分ほど前に入った投稿だ。平日昼間の時間帯だしほとんどの人が仕事中で見ていないのかもしれない。
手が震えた。その日は空いている。でも…変な目的の人だったらどうしよう?警戒心もチラッとかすめたが、考えるより先に手が動いていた。
「空いてます!行きたいです」
するとすぐに返事がきた。
「よかったです。よろしくお願いします」

とはいったものの。本当に大丈夫かしら?という気持ちは消えない。実際に会えたらラッキーくらいの気持ちで、まあ会えなかったら勉強だ、なんて考えながら、当日待ち合わせ場所に向かった。
相手は高身長である、という情報だけを頼りに。

すべてをオプチャ上でやりとりしているので、もしかしたら別人が来て受け取ってしまう可能性もあるかも。と思い、目印として当日していくマフラーの画像を送っておいた。

約束の時間。
なんとなく180㎝くらいをイメージしていたけど、想像を上回る190㎝超のかなり目を引く高身長な若い子がやってきた。周囲から頭1つ分出ているので、人混みの中でも見つけやすい。
高身長だけど低姿勢でとてもナイスガイだった。
聞けば、友人と行く予定でチケットを2枚取ったけど、友人がバイトで来れなくなって譲り先を探していた。とのこと。
チケット代はいらないというが、さすがに20も若い子に奢ってもらうのは気が引ける。
「行けなくなった友達にもお礼がしたいから、これで二人でご飯でも食べに行って。」と言いくるめて、ようやく渋い顔で受け取ってくれた。

電子チケットを譲ってもらって、開場までまだ1時間くらい時間があったので、一旦解散。
席は隣なので、本番は一緒に見ることになる。
万が一、がっかりしてたら申し訳ないと思い、「おばさん来ると思ってなかったよね?ごめんね」と思わず謝ってしまう。
「音楽に年齢なんて関係ないすよ」とフォローをさせてしまってさらに申し訳ない気持ちに。
Vaundy は好きだけど、あまり詳しくない、ライブ自体くるのも始めてということでいろいろ質問してくれた。調子に乗ってふかしてしまったが、嫌な顔せず聞いてくれて、身長だけじゃなくコミュ力も高いなと感心した。

Vaundyのライブは最終日で生中継もありということもあって、アルバム「replicaZERO」の曲もかなりたくさんやっていた。もともとのヒット曲もたくさんあるので、曲数がかなり多くて、さすがに後半は大変そうだったが、最後までエネルギッシュですごかった。ライティングもかっこいいし、ドS調なMCもライブならではの楽しみだ。
「おいおい、知らない曲ばっかりだったか、ごめんな。じゃ知ってる曲やってやるよ」的な感じで「不可抗力」に入るとか、萌え萌えキュンだからな。最終日ということもあって最後まで全力でかわいさMaxだった。
声の出し方も腹の奥底からぐわわわわっと出てくる感じで、ワンピースの覇王色の覇気みたいな、会場全体にものすごいエネルギーを送ってくれている感じだった。

ライブが終わって駅へ向かう道すがら、聞きたい曲が聞けてよかった、かっこよかった、「逆光」ってVaundyの曲なんすね、知らなった。みたいなライブの感想シェアをして、やっぱりライブはぼっちで来るより、こうやって一緒に誰かと感想言えると楽しさ倍増だな、と浸っていた。
駅までの人混みはなかなか進まず、なんとなく途切れたところでなんとなく距離があいて、離れた。
最後に、「今日はありがとう」と声をかけた気もするし、そのまま見えなくなってしまった気もするし、どっちだったかよく思い出せない。
多分もうお会いすることはないだろう。
Vaundyが好きという共通項だけで、こんなに楽しい時間を過ごせるなんて、音楽が人と人を繋ぐ力ってすごいなと思った。

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