No.0113 消費税に関して気になったので計算してみた
昨今では世界情勢の不安定化で防衛力を強化しなければいけない、ということで日本では防衛費に関しての増税がほぼ決まっています。
ここでふと気になるのは「増税」は遠慮なく、優先順位関係なく(永田町ではあるんでしょうけど)行動しているのに対し、消費税など市井の人が関わっている「減税」に関しては「財源がないから」などで行動が消極的になっている点です。
単純に増やすことは何もしなくても決められるのに対し、減税に関しては各省庁が計算しないと出来ないので、要はここいらが面倒だからやらないんだろうなぁ、と個人的には考えています。
じゃあ、計算したらどこまでが実現可能なのかこっちで計算したらいいのでは?
という訳で実際に計算してみました。こんなのに需要があるのかどうか分からないのですが、とりあえず記録してみます。
なお、単純計算かつ雑なのであくまで参考程度に、気軽に見てもらったら有難いです。
条件1.消費税の1%の租税金額を2兆円とする
(2021年度では20.7兆円。8%だと2.58兆円、10%だと2.07兆円となり金額が小さめになっています)
条件2.家計が支出する消費年間額は約280.5兆円とする
(2020年のデータであることに注意)
条件3.名目国内総生産(GDP)は約539兆円とする
(こちらも2020年のデータであることに注意)
条件4.日本の人口を約1.2億人とする
(総務省統計局の2022年の人口推移より)
現在、軽減税率の関係で食品表示法に規定する商品が8%(基本的に飲食物だと思っていただければ)、外食やお酒、煙草は10%。宅配・テイクアウトは8%となっています。
なので、消費税を10%→5%に、8%→5%に、8%→6%に、8%→7%にとちょっと細かいのですが、それぞれに必要な金額を計算してみました。
すると結果はこちらの通りになりました。
1.10%→5%にする
減る消費税の金額が10兆円、その10兆円を得るために必要な税抜き価格が200兆円、消費税を抜いた元の金額との比較が約2.1倍、結果100兆円(税抜)をさらに消費しないと10兆円にならない。
これは国民1人あたり、従来より年間約83.3万円(税込87.465万円)ほど多く消費すればいい計算になる。月約7.3万円である。
2.8%→5%にする
減る消費税の金額が6兆円、その6兆円を得るために必要な税抜き価格が120兆円、消費税を抜いた元の金額との比較が約1.65倍、結果45兆円(税抜)をさらに消費しないと6兆円にならない。
これは国民1人あたり、従来より年間約37.5万円(税込39.375万円)ほど多く消費すればいい計算になる。月約3.3万円である。
3.8%→6%にする
減る消費税の金額が4兆円、その4兆円を得るために必要な税抜き価格が約62.7兆円、消費税を抜いた元の金額との比較が約1.36倍、結果16.7兆円(税抜)をさらに消費しないと4兆円にならない。
これは国民1人あたり、従来より年間約14万円(税込14.84万円)ほど多く消費すればいい計算になる。月約1.2万円である。
4.8%→7%にする
減る消費税の金額が2兆円、その2兆円を得るために必要な税抜き価格が約26.6兆円、消費税を抜いた元の金額との比較が約1.15倍、結果3.6兆円(税抜)をさらに消費しないと4兆円にならない。
これは国民1人あたり、従来より年間3万円(税込3.21万円)ほど多く消費すればいい計算になる。月約2675円である。
以上を踏まえて考えると「10%→5%」あたりは現実的には消費税で回収するのはかなり難しく、「8%→6%」「8%→7%」なら回収はかなり現実的では無いのかな?と思います。
もちろん細かく見ていくと「消費税無いの国税と地方税の分割割合」「他の租税との兼ね合い」「国際的に見た時の税金の比較(なお諸外国の消費税は20%前後が多い印象)」「予算作成時における概算要求」「国民の資産状況」「国内・世界の景気」などなど、多岐にわたる要素が絡んでいるので、こう単純には行かない世界なのが面倒がところです。
逆に言えば、従来どおりにお金を消費して行ってるのなら各項目の金額が手元に残るともいえる訳でして……ただ、昨今の物価高を考えると喜べない事態になりつつありますね。
素人の自分ですらこれくらいの計算が出来るんだから、プロである財務相さんが出来ないはずないと思うんですけどねぇ…(汗)