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No.0120 そりゃ毒も吐きたくなりますよ
ちょっと前にFIREという言葉が流行していた。これは解雇や缶コーヒーの飲み物ではなく、経済的自立と早期退職をあわせた言葉である。日本ではセミリタイアという言葉が近かったであろう。
これらを達成するには時間がかかり、おそらく達成された方で有名な三菱サラリーマン氏の高年収と高配当投資で達成された方法でも7年ほど期間がかかっている。
つまり、一般的な人であるなら最低でもこれ以上の期間は必要であると言うことだ。当然夢物語だなと脱落していく人もさもありなんだろう。
しかし、ありがたいことに自分もその立ち位置にいられる状況になりつつある。現在でも仙人的生活をすれば質素倹約の部類であるlernFIREは可能と判断している。
もちろん、完全FIREで隠居するつもりは今の所はない。むしろ以前の引きこもり生活よりかは精神的にも充実しているし、何より働きたい意欲は増してきている。
ひとまず還暦あたりまで生き残ることが最優先ではあるが、その年齢あたりまでは働きたいと考えている。俗に言うsideFIREである。
今年強く思うようになったのは今の仕事の仕方に大きな疑問符がつくようになったから。3月頃からスーパーのように販売期限が近い商品を値引きするようになったのである。
人手不足なのは数年前の記事から見ても明らかで、本部含め店舗自体も解決する努力をしてこなかった。事実上の仕事量の増加である。この仕事のおかげで、店内清掃・品出し(特にペットボトル等の飲料商品)・棚清掃・揚げ物作成に支障が出るようになった。
単純に仕入を減らせば8割方解決するというのに、その気配が一向にない。むしろ増やしてそれをメインにして売ろうという魂胆が出ていた。
かつてトヨタ生産方式を確立させた大野耐一氏は「つくりすぎのムダが一番の敵である」と自著で記している。理由として、作りすぎると部品・仕掛品・管理場所・在庫管理・保存管理等々の副次的な作業、その部品のコスト、それらに必要な人員が恐ろしく増加する旨の文章を記していた。
つまり、現状人員増加が期待出来ないので副次的作業がおろそしく増加していったのである。しかも値引きをしているので利益を減らしながら。
さらに言えば、この前時代的なやり方を推しすすめているという本部の体制にも大いに呆れたものである。コスト削減とキャッシュフローの改善を目的としているのであろうが、俯瞰的に見れば、キャッシュフローの流れ自体が目的になっているようにしか見えないのである。
また、諸々の事情で大きな仕事量を出来なくなった上長の勤務態度もよろしくない。傍目から見て怠惰というのが分かる様子をさらけ出しているのは通常勤務している従業員に当然悪影響を与えるわけで。
家庭の事情であれ、従業員の一人が、殆ど出勤することがなくなってしまった。またまた仕事量が増えるのである。
私も当初は40時間、週5を想定して仕事をこなしてきたら、それが48時間、週6になり、それでも時間が足りず休憩時間をなくし、それでも足りず最近では30分は残業をするようになり……このまま定年までずーっと、というのを考えるとさすがにダメだろうと感じた。
経営・仕事観の師である早川種三氏には非常に申し訳ないが……
自分を殺すにしても、限界というものがあるのである。
この40年間、自分の意志で何かをやろうという事は殆どなかった。親にいわれ、周囲がそうしているからで無理矢理納得してきた。
だが、一応ではあるものの『質素倹約を続けていけばどうやら何とかなりそうだ』という状況に至り、このまま自分の意思もなく社会に残り続けて、果たして自分は良い人生だったと振り返ることが出来るのであろうか?
色々と思いを巡らせた結果、年末に退職してsideFIREを行い、自分の意思で他人の為に尽くした方がいいと判断した結果が出た。昨日今日のぽっと出した結論ではなく、ここ1年間もやもやしたものを形にしたのである。
ところが、である。
いざそれを実行しようと、それとなく家族に話したら反対されたのである。私はこどおじなので公共料金等は折半で暮らしているので
私「自分は年間これくらいで暮らしていけるから」
家族1「食費は?電気料金は?税金は?」
家族2「自分も年がいってるから、病院行ったりとか灯油とか買ってもらわないかん」
家族1「絶対そんなので暮らしていけないから」
今までそれを焚き付けた君たちが言うのか?
仕事量が多いから等々、仕事場の状況を言って「早く辞めた方がいい」「次の仕事探していけば」とか言ってたじゃないか。正直、呆れてしまった。
何も退職してすぐ仙人暮らしをする訳じゃない。質素倹約は継続しつつ、sideFIREで仕事をしつつ、その収入の幾分かを家にも入れて、静かにまったりを人生を自分の意思で満喫したい。
ただ、それだけなのである。
なお、疑問の回答はこれらである。
「その年間支出費の中に収まるようにする。不足分はsideFIREでの仕事分で補填する」
「当然するつもりだった。しかし、そのようなやる気を削がれる事を言われて『はい喜んで』とはとてもじゃないが出来ない」
「資産状況については君の方がはるかに健全ではないのかね?それで不安があると言うことは、しっかりとした資産形成の計画が出来ていないのでは?」
現在、思っていた現行の方針を転換して、一人暮らしをするために不動産も探すようになった。当たり前である。実家に入ればこのような小言が少なくともあと10数年は続くのである。そんなのは御免被る。
と、散々書き殴ってきたが、今の状況になれたのはひとえに実家が支援してきたおかげでもある。ここはきちんと感謝しないといけないだろう。だが、この40年間、今まで自分の意志などなく適当なレールを乗ってきた人生を送ってきた。なら、あとは死ぬまでは自分でレールを敷設してそれに乗っても良いのではないか?
こんな小さなわがまますら許されないということに怒りを感じたので、書き殴りの状態で文章にしてみました。
何か新しい事をするのは抵抗があるというのは良くある事ですが、まさか家族からそんな反応が来るとは思ってなかったです。怒り以上に哀しさが勝りましたね。おそらく人生で初めてであろう自分の意志を、こうもあっさり一蹴されるなんて……って感じで(苦笑)
「自由は不自由の中にあって存す」自分の場合は、FIREを実現することによって実感することになりそうです。