どうして私は仕事をしたかったのか

子どもがまだ1歳にも満たないころ、私は築いてきたキャリアを失うこと、社会から離れることが怖くて、仕事復帰をしました。子どもは生後7カ月でした。4月入園のためでもあったのですが、今振り返ると、あの頃の私はどうしてそんなに仕事をしたかったのだろう、得られたものはあったのだろうか?と考えてしまいます。

キャリアか子育てか…

私は若いからとても順調にキャリアを積んでいきました。私の母も祖母も働き者で仕事をしながら子育てをしていたので、私は当然のように出産後も仕事をする選択をしました。でも子育てをしながらの仕事は想像以上に大変でした。子どもの面倒をみれる人は私しかいませんでした。両親は遠くに住み、子どもが幼いころの夫は、父親として大変未熟で子どもの面倒をみることができなかったのです。今ようやく父親としていいパパをしていますが、当時はなんにもできない人でした。(転職したてでストレス過多だったのだと思いますが、それはまた別のお話で…)
仕事に集中したくても、それは叶わず。キャリアを積むことはあきらめ、比重は当然のようにワンオペ子育て中心になっていきました。

職場への申し訳なさ…そんな時に

子どもは保育園でとても元気に遊んでくれるとともに、たくさんの病気ももらってきます。お熱の呼び出しはしょっちゅう。しかも保育園だというのに親参加型のイベントが盛りだくさんで、職場へその都度お休みの連絡をしなければなりません。せめて夫婦で分担できればよかったのですが、それをしてくれることはなく、、、だんだんと職場に申し訳なさが募っていきました。そんなころ、子どもが入院することになったのです。

病院から職場へ通勤

子どもの病気は一日の休みでは回復しません。一度病気にかかると5日は保育園を休みました。さすがに会社を休めないので、新幹線で親に来てもらい昼間は子どもの看病をお願いしました。夜はママの役割です。入院した時も同様に私は仕事から帰ると病院へ行き、病院へ付き添いで泊まりました。翌日は母へバトンタッチしてそのまま職場へ通勤です。
子どもも頑張ってくれています。子どものために頑張らなければと、私は気を休める場所がありませんでした。寝不足なんて言っていられません。母が来てくれているときは、私は仕事ができるのですから…

プツン…

必死に子育ても仕事もしていたつもりでしたが、私自身が熱を出してしまいました。職場に電話すると「事前に言ってもらわないと困る」そんな心無い言葉に、、、プツンと緊張の糸が切れました。
私は何のために仕事をしていたんだろう。
私が仕事をすることを誰が喜んでくれるのだろう。私は誰の役に立っているのだろう。子どもだって、体調が悪い時私がそばにいてくれた方がうれしいだろうし。
お金のため?働いても保育園に支払って、時間がないから外食が増えて、通勤のためのスーツや靴なんかが必要で、大したプラスになっていないじゃないか。
私はどうして仕事をしたかったのだろう。

自分でつくった常識に囚われていた

私は、母も祖母も仕事をしていたという私の中の常識にただ囚われていました。考えてみれば近くにサポートしてもらえる環境もなく、しかも夫も子育てに非協力的な中で、母や祖母と同じように仕事をすることは無理だったのです。ましてや、職場の理解も得られない。
辛さより、気づけたことでスッキリした気持ちになりました。

親が元気だと子どもも元気

私は仕事を辞めることにしました。辞めると決めると、気持ちの整理がついているので私の気持ちが明るく元気になりました。そうなると不思議です。子どもも熱を出すことなく元気いっぱいになってくれました。
すべては私の仕事欲が生み出した病だったのかもしれません。

何のために、誰のために仕事をするのか考えるよりも、
私が一番元気でいられる方法を選択することが、周囲を良い方向へ導くと実感しました。

キャリア??それ何の役に立ちますか??キャリアを失うことを恐れていた自分に伝えてあげたいです。キャリアなんて何の役にも立たないことを…
母の笑顔と元気が家族を明るくしますからね♪

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