っぽい食べ物
観光地や知らない土地に出かけると、できるだけ地場のものを食べるようにしている。
食べ物には、その土地ならではの食材や味付け、調理方法などが凝縮されているので、文字通り旅の醍醐味といえる。
転じて、その場所っぽい食べ物、というのもあると思う。
ハワイであればパンケーキとか、表参道であればパンケーキとか、自由が丘であればパンケーキとか。
先日、銀座の少し奥まったところにある穴子料理専門店に行ってきた。
奥まった場所といい、店の佇まいといい、穴子というチョイスといい、どことなく銀座という街に合っている気がする。
買ってきた「あなごめし」は、ながーい穴子が1匹分、中央に鎮座して、その周囲を錦糸卵が埋めている。
さらに、その下にはのりや大葉が隠されていて、調味料も「タレ・山椒・わさび」とツボを押さえている。
まずは、わさび。
穴子自体、それほど食べた経験はないけど、わさびで食べる経験はもっと無い。
穴子のジューシーな身を、わさびが爽やかに中和してくれるし、ツンとくる、辛さもいい。
そして、タレと山椒。
これはもう、うな重で証明されている方程式で、ぜったい旨いヤツで「うなぎ+タレ+山椒=旨い Q.E.D.」である。
濃厚なタレと鼻に抜ける山椒の香り、ときおり姿を見せる大葉の味わいと、それを援護する海苔の風味。
ほぼ、一瞬で完食。
緊急事態宣言が明けた暁には、店内で穴子を肴に一献傾けたいところである。
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今回のお店
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