花図鑑【シクラメン】
花屋さんや園芸屋さんの店頭には、シクラメンの花鉢が並んでいます。
咲いている期間も長く、冬の寒い中でも鮮やかに明るく飾る花なので、
“冬の花の女王”と呼ばれることもあります。
サクラソウの仲間とされるシクラメンは、本来地中海あたりの暖かい地方の植物で、日本には明治に入ってきて園芸植物として扱われてきており、冬の花といっても寒さには弱いのです。
シクラメンの和名は「かがり火ばな」。
あの独得の花弁をはね上げた様な花の姿にかがり火をイメージして名づけられたようですが、シクラメンの花は、実は下向きに咲いていて花弁だけが上に向って伸びています。
「なぜ、花が下を向いて咲くのか」
地中海の冬の季節は雨が多いため、花粉が雨に濡れないようにと、下を向いて咲いているのです。
シクラメンといえば「真綿色したシクラメンほど・・・♪」という、
「シクラメンのかほり」という曲が大ヒットしました。
(若い年代の人達は知らないとは思いますが(笑)。)
「シクラメンのかほり」という響きに誘われて、シクラメンに鼻を近づけた人もいることでしょう。しかしシクラメンには、ほとんど香りがありません。園芸品種として花の改良が進むうちに香りがなくなったということでした。
しかし、この曲のヒットと共にシクラメンの香りが注目を集め、
再び品種改良されて、現在では香りのあるシクラメンが作りだされています。
シクラメンは寒さに弱い花なので、室内管理が基本です。
置き場所として良いのは、窓際のレース越しの日が当たり室温が5℃から15℃位の場所です。直接暖房があたるところや室温が高いところ、直射日光が当たるところは避けて下さいね。
カーテン越しの冬の日ざしの中で咲く鮮やかな花は、やはり特別の存在です。
寒い日が続いていますので、シクラメンを飾って部屋の空気までやさしく明るくしてみてはいかがでしょうか?
いよいよ、今年もあとわずかです。
コロナ禍の年末年始となりますが、皆さま体調管理には十分に気を付けてお過ごしください。