雑然とした部屋を眺めて
長年、本当に長年使ってきた器をうっかりぶつけて割ってしまった。中に入っていた柿に粉々の破片がくっついてしまい、それらも処分した。何だか急に気分が下がってしまった。
うちには貰い物の食器が多い。夫と私が一人暮らしの頃に使っていた食器を合わせても、貰い物の食器には及ばないほどだ。家電量販店の景品のマグカップ、ヤマザキ春のパン祭りのいろんな形の白い器、住宅展示場で貰ったパン皿5枚セットなど。お箸すら懸賞で当たったものだ。お茶碗とお椀、湯呑みなどは買い揃えたものだけれど、2個セットの片方だけ割れていまい、今では家族バラバラのものを使っている。
部屋を見渡すと必要なものはきちんと揃っている。でも長年暮らしていると雑然としてくる。以前の転勤先で使っていたカーテンの裾を直して今のリビングに。クッションカバーは破れたりしたものから買い替えていくからバラバラの柄。お値打ち品などがあれば買ってしまうからシーツや枕カバーの柄もバラバラ。膝掛けなどは特によく貰うからいろんな色柄のものがある。そして保険会社からのカレンダー。
先日、新しい転勤先のアパートを決めてきた。2人で住むには手狭の1LDKで築浅、ペット可の物件だ。結局今住んでいる家は売らずに、ローンを返しつつ新しくアパートを借りることにした。なのでなるべく家賃を安くさせるため1LDKとなった。夫と私と老犬は今の家とアパートをその時の気分で行き来することにした。次男も夫の転勤と同時期に家を出るので、後は夫婦で自由に暮らす予定だ。次男も先日東京にアパートを借りてきた。2DKの私たちよりも広い物件だ。
新しいアパートではまた以前の家電や家具が並び、家にある余った食器が使われるだろう。でもいつかお気に入りの柄のカーテンや絨毯、家具や食器、洋服や小物、インテリア雑貨、観葉植物など揃えてその中で大好きなココアを飲んでみるのもいい。本当に必要な大好きなものや人に囲まれて。
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