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気になること

住む家と乗る車が変わった夫。
いろいろ気になることがあるようで、あちこち調整している。
「サッシの滑り」
「玄関ドアの自動ストッパーの位置」
「シャワーの傾き具合」
「窓の隙間」
「開けにくい食器棚」
「ゆるんだドアノブ」
「固い鍵穴」
車では
「道路から拾う振動」
「ドアを閉めるときの音」
「ボディのキズ」
「タイヤのくすみ」
「雨粒のはじき方」
そして何よりこだわっているのが
「スピーカー」。
ドアの内張りを取り外し、何やら詰め込んだりテープを貼ったり。
「何やってるの?それ、外して大丈夫なの?」
「これはデッドニング。これで音が外に漏れないし音質が良くなるんだ。それに開閉音も静かになる。」
トランクのドアも含めて5つ、ひとつに2時間程かけてデッドニングとやらをしていく。
側から見るとドアを破壊しているようにしか見えない。
しかもYouTubeを見ただけで、見よう見まねでやっているというから恐ろ、、スゴい。
「このベースの音がもっと響いて欲しいんだよな〜。高音も突き抜けていかないし。ボフボフするのを消したいんだよ。わかる?」
「う、うーん。」
「このイコライザーで探してはいるんだけど、この周波数が耳に刺さるんだよ。」
「はあ、、、。」
ドアをコンコン叩いては
「違い、わかるだろ?中に詰まってるだろ?」
「beforeでコンコンしたことないし。」
「最後は屋根も引っ剥がしてやろうと思ってんだよ。」
「ちゃんと元に戻るよね?」

家の中の気になる不具合も、普通なら業者さんに頼むレベルでも、
「たぶんこのネジだと思うんだよ。」
「これがハマればいけるんだよ。」
と、何でも何とかしてしまう。
洗濯機の設置、テレビの配線や設定、電子レンジや冷蔵庫のアースなど説明書に書かれているものは当たり前に自分でやってしまう。
ドアやサッシの仕組みや取り付け方など、わかってしまえば多少の違いがあっても「たぶん」でこなしてしまう。

ちなみに私は順応性が高いのか、たいていの不具合は自分から合わせにいく。それに「違いのわからない女」なので、そもそも気にならない。
それでも最近気になるのは、料理番組で、先生が生肉を触った手をふきんで拭いただけで塩や胡椒の瓶を触ることだ。
「ああ、後片付けが大変だろうな。」



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