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同僚の発した「BLやん。」という言葉にドキリとした話。

初めまして、hakoと申します。
noteに登録したものの、何を記事にすればいいのか、そもそも何か投稿した方がいいのかもわからず、放置すること数ヶ月。
とりあえず、難しいことは置いといて日記のようなものを自己紹介も兼ねて書こうと思います。

前置きが長くなりましたが、そういえば今日、会社でこんな会話がありました。

「そうだ、さっきA課長から電話があったんだけど、今抱えてる案件、今日午後までに提出出来るか聞かれたんだよね〜。」

「え、急ぎ?出来ることあるなら、手伝おうか?」

「ありがとう。だから、午後何時ごろ外出されるんですか?って確認したのよ。そしたらさ〜。」

「うんうん。」

「A課長が急に、『ちょっと待って。B君、今日何時に出るんだっけ?』って、Bさんのこと下の名前で呼んでるし、めちゃくちゃ話しかける声が優しくて!」

「え〜!」

「BさんはBさんで、『あ、13時半くらいっす〜。』って相変わらず緩い返事が聞こえて来てさぁ…。」

「…なんかもう、それBLやん。」

…はい、なんのことやら?って感じですよね。
まず、会話に出てくるA課長はザ仕事人間のような人で効率や作業性を重視する、まずは結果から端的にを徹底した一見冷たい印象を与えるしごでき上司です。

そしてもう一人の登場人物のBさんはA課長の直属の部下で、A課長とはまるで正反対の人。
常にゆる〜い雰囲気で、お調子者、陽キャ、人情に厚くて人当たりも良い、仕事が出来るのかどうかは知らないけどどちらかというと可もなく不可もなくと言った印象。

二人を並べてみると共通事項なんて何一つないんじゃないか?まるで火と油なんじゃかいかと一瞬ヒヤリとしてしまいそう、それが私の入社当時の感想でした。

ですが、蓋を開けてみると、A課長はBさんにぞっこんで、BさんもA課長を尊敬していてめちゃくちゃ相性の良い二人だったんです。

噂によると、A課長はBさんを他のグループに取られたくない(手放したくない)発言をしている、だとか、Bさん限定で見守る目が優しすぎる(まるでお父さん)だとか…
ということで、私と同僚の間ではA課長はBさんのパパというイメージが出来上がっていたのです。

ですが実際、私個人的にはA課長がBさんに対して甘々な態度をとっているような現場を目撃したことはまだありませんでした。
ですが、今日、電話越しではありましたが、私は確信したのです。

(あ、この人、ほんとにBさんが好きだな…と。)

声って本当に不思議ですよね〜。
私と業務内容の確認をしている時は固い張り詰めたような空気で、必要最低限の言葉と声色だったのに、A課長がBさんに話しかけた瞬間、空気が和らいだのを感じたんです。
それは父親が幼い息子に話しかける声のトーンと似ていたような気もします。

私はそれを何気なく同僚に話したわけですが、今回の話の肝になるのはA課長とBさんが大の仲良しということではなく、その同僚の発した「BL」という単語にドキリとしてしまったという話です。

まず、自己紹介を兼ねて白状すると、私は筋金入りの「腐女子」です。


世間一般的にわかるように云えば、男女の恋愛よりも男性同士の恋愛物語を好むオタク女です。
しかもこの道、早20年程の筋金入りの。
もし読者の方にお仲間がいらっしゃればご存知かと思いますが、BLという言葉は数十年前までは今ほどライトでもなく、どちらかというと隠語扱いのひっそりと人目を憚って発しないといけない言葉だったように記憶しています。

間違っても会社で同僚の前で堂々と口にするような言葉ではなかったのです。

ですが近年、実写ドラマやアニメ化などを経てBLブームが到来し、またLGBTQや性自認のダイバーシティの風潮もあってかSNS上のみならず街中や電車広告でも日常的にBLという単語を目にする機会が増えました。

それは、ひっそりと恥を忍んで、親や友達、知り合いにバレないように地元の本屋の片隅で、商業BLコミックを物色し購入していた学生時代を過ごした私からしてみれば随分と寛容な世の中になったなと関心してしまうほどです。

そういう時代を経てきたからこそ、今のライトな認識で発せられるBLという言葉に違和感を覚えるし、いまだに取り扱い注意、という認識が抜けないからこそ妙にドキリとしてしまうのです。

今でこそ同性の恋愛なんて、ただ好きになったのが同性だっただけ、というように当たり前に恋愛のカテゴリーの一つになっていますが、私からしてみれば「禁断の恋」「秘密の花園」といった知られてはいけない秘密の物語というイメージが抜けません。

最近ではBLドラマに出演した若手俳優がそれをきっかけに大ブレイクする、なんてよくある話ですよね。
登竜門的な立ち位置にすらなりかけているなと感じます。
昔は仮面ライダーや戦隊モノが若手俳優の登竜門だったのにね…。

なので、オタクでもなく、腐女子でもない、いわゆる一般的な男女の恋愛を楽しむ性趣向を持つ同僚の口から、自然に「あの二人ってBLっぽいよね」という趣旨の言葉が出て来たことに妙にドキリとして落ち着かなかったというだけの話でした。

これって共感してくれる方はどれくらいいらっしゃるだろうか。

最後に、山もなくオチもない話でしたが長々とお付き合いくださり、ありがとうございました。





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