めったに使わない点字、「位取りとアポストロフィ」編(点字のはなし(47))
今回は、「位取り」と「アポストロフィ」です。
※以下、当センター独自かもしれませんので、使用時にはご注意を。
位取りの記号は、桁数が多い数字に使います。
墨字(普通字)では、よく見かけると思います。
123,456円 のように、千の位と百の位の間につけます。
点字の位取り記号は、私はあまり見た事がありません。
数字の途中に3の点を一つ書きますが、じっさい、点字使用者の中にどれくらい、「位取り記号」の書き方を覚えている人がいるかしら? という感じです。
それくらい、使用頻度が低いです。
点字を知っている方は、位取り記号が「小数点(2の点)と似ている」と気づかれるでしょう。
そうなのです。
似ているのです。
似ているということは、間違えやすいということ。
「じゅうにまん さんぜん よんひゃく ごじゅうろく」と、
「ひゃくにじゅうさん てん よんごーろく」では、えらい違いです。
点字では、「まん」「せん」の言葉を使う方が、間違いが少なそうですね。
(12まん 3ぜん 456 とか、 12まん 3456 と書く)
必然的に、位取りの記号を使う機会は少なくなります。
↓大きな数字についてはこちら↓
もちろん、位取りの記号を全く使わなくて良いという意味ではありません。
帳簿など、数字の正確性を求められる文書の場合は、「せん」「まん」は使わず、正式な書き方をすることになっています。
さて、もう一つ。
これまた滅多に見かけない、「アポストロフィ」です。
でも最近は、墨字(普通字)でも、あまり使わないですよね?
もしかしたら、この記事を読んでいる方の中にも、
「アポストロフィーって何?」という方もいるかもしれません。
墨字(普通字)のアポストロフィは、1990年台まで、よく見かけた気がします。
’91(アポストロフィ91)と書くと、1991の事で、
そんな風に、年の前半を省略する時に、よく使っていました。
点字のアポストロフィも、位取りと同じく3の点を使いますが、
ちょっと書き方が独特で、数符の直後に書きます。
数符、3の点、数字本体
という順です。
この書き方は、アポストロフィについてきちんと知っている人でなければ、
ただの「書き間違い」と思われてしまうかもしれません。
例えば、「191と書こうとして間違えたのかな?」と勘違いされてしまう可能性があります。
ですから、「’91」を点訳する場合は、配慮が必要だと思います。
はじめに原文通りアポストロフィを使って書いて、
直後に点訳者挿入符を使って、「1991ねん」などと添えてあげると、間違いなく伝わるのではないでしょうか。
↓点訳者挿入符についてはこちら↓
え、めんどう?
そうですか…そうですよねえ…。
どうやら、略さずに「1991ねん」と書いた方が、通りが良さそうです。
by くろうーろん
※こちらは過去にssブログ(2018-02-20 13:00)に掲載されていた記事です。再掲にあたり、一部修正致しました。