見出し画像

勝山館をあるく

 函館から車で約1時間半、日本海側に向かって走って行くと上ノ国町という町がある。ここには勝山館かつやまだてという蠣崎氏一族による居館の跡が残されている。

搦手門から海を臨む

 日本海に面した上ノ国漁港を見下ろす位置に立っており、港を往来する船はすべてここから丸見えとなる。一方で坂を下りていき、港の側から館のほうを見上げるとほとんど何も見えない。

海側から館のほうを見上げる

 これは海の側から攻め上っていって館を攻め落とすのは事実上不可能だ。山頂から弓矢で攻撃するのはもちろん、岩を転がしたり、熱した油や大きな氷の塊などで攻撃すれば、下の方から攻め上がることは実質的に無理である。ハンニバルよろしく裏の山を登って背後から攻める以外には攻略の方途はなく、松前以上に堅固な天然の要害となっている。

 搦手門から歩いて5分ほどのところには夷王山神社がある。ここも松前神社同様武田信廣を祀っており、鳥居には武田氏の家紋である武田菱があしらわれている。 海抜は159mあり、上ノ国漁港から天の川を一望できる。

案内板にはロシア語も書かれている

 山を下りて海沿いに行くと道の駅がある。名称は「上ノ国もんじゅ」で、沿岸にある岩石を文殊菩薩に見立てたものらしい。
 上ノ国では巨大なヒラメを「てっくい」を呼ぶ。手を食うほどの大きさのヒラメという意味らしいが、その天ぷらの丼を食べた。

てっくい
てっくい丼。ヒラメ、茄子、サツマイモ、大葉の天ぷらが乗っている
文殊岩

いいなと思ったら応援しよう!