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自筆証書遺言と公正証書遺言のどちらがおすすめ?

よく「自筆証書遺言と公正証書遺言のどちらがいいですか?」というご質問をいただきます。

そこで今回は、自筆証書遺言と公正証書遺言のそれぞれのメリット・デメリットを比べて、どちらがよいかをご一緒に考えていきましょう。


自筆証書遺言とは?

自筆証書遺言は、遺言者が自分の直筆で書く遺言です。ひとりで作成でき、証人が必要なく、お金もほとんどかかりません。

自筆証書遺言を作成するには、民法で定められた方法に従う必要があります。財産配分など遺言内容の全文、日付、氏名を自筆で書き、押印して作成します。

添付する財産目録はパソコンで作成したり、代筆してもらうことも可能ですが、全ページに署名捺印が必要です。

訂正する場合も法律に従った方式で行わないと、その訂正が無効になることもあります。

自筆証書遺言のメリットは?

  • 自分でひとりで作れる

  • 費用がほとんどかからない

  • 遺言を作成したことや、内容が誰にも知られずに済む

  • 自筆のため想いが伝わりやすい

自筆証書遺言のデメリットは?

  • 全文を自筆で書かなければならない(財産目録を除く)

  • 自分で作成するので、人によって異なる解釈をされたり、要件を満たさずに無効になるおそれがある

  • 生前に発見されたり、紛失・偽造・廃棄のおそれがある(自筆証書遺言書保管制度を利用した場合を除く)

  • 家庭裁判所の検認が必要(自筆証書遺言書保管制度を利用した場合を除く)

公正証書遺言とは?

公正証書遺言は、公証人とともに作成する遺言です。法律の専門家がかかわるため、形式や内容に関して法律上の不備になることはほとんどありません。

証人2人以上の立会いのもと、法律で定められた方法に従って作成します。

公証役場に出向いて作成するのが原則ですが、入院中や自宅療養などの事情があれば、公証人が出張してくれます。言語に障害がある人でも、作成可能です。

作成にかかる手数料は財産の価額によって異なります。

公正証書遺言のメリットは?

  • 法律の専門家である公証人が作成するので、人によって異なる解釈をされたり、要件を満たさずに無効になるおそれが少ない

  • 原本が公証役場で保管されるので、生前に発見されたり、紛失・偽造・廃棄のおそれがない

  • 意思能力があれば、字が書けなかったり、寝たきりの人も作成できる

  • 家庭裁判所の検認が不要

公正証書遺言のデメリットは?

  • 費用と手間がかかる

  • 遺言を作成したことや、内容が公証人や証人に知られる

自筆証書遺言と公正証書遺言のどちらがおすすめ?

自筆証書遺言がおすすめの方

  • 自分でひとりで作りたい方

  • 作成費用をかけたくない方

  • 遺言を作成したことや、内容を秘密にしたい方

  • 自筆で作りたい方など

公正証書遺言がおすすめの方

  • 法律の専門家に直接作成に関わって欲しい方

  • 要件不備や紛失・偽造・廃棄などのリスクを避けたい方

  • 字が書けなかったり、寝たきりの方

  • 相続財産の内容が複雑であったり、相続人以外の人・団体に遺産を贈りたい方

  • 亡くなった後に家族間で揉めそうな方

  • 亡くなった後の相続手続がスムーズに進められるようにしてあげたい方など

まとめ

実際に遺言書を作成するときは、自筆証書遺言か、公正証書遺言のどちらかを選ぶことになることが多いです。両者に効力の違いはないので、それぞれのメリット・デメリットを比較して、ご自分に合ったものを選ぶことをおすすめします。

遺言の作成について疑問や不安がありましたら、どんな小さなことでもお気軽にご相談ください。

最後までお読みいただきありがとうございました!^ ^