#半蔵門ブログ 1/9(帰り) 「寄せ書きの袖ビーム」

袖ビーム:ガードレールの端にある丸まった部分のこと。クイズのベタ問としてよく出題されている。

高校時代の僕は、現在の自分の言葉選びはそのままに、さらになけなしのコミュ力と人間性を引き算したような人間だった。2年から所属したクイ研に入り浸って、クイズばっかりやってた。ボタンもなかったから、机を叩いて早押しをしていた。

卒業式が終わって、みんなが写真撮ったり思い思いに泣いたりしてるのを脇目に何となく友達のいる隣のクラスに遊びに行くと、寄せ書きを集めまくっていた女子に声をかけられた。

中学から見知ってはいたけれど別に親しいワケでもないので何を書くか迷った結果、何十もの別れを惜しむ声のとなりに小さく「袖ビーム」と書いた。

その女子は寄せ書きを見て少し戸惑いつつ、「(フスマの真名)くんらしいね」と苦笑いをした。

こう書くとあきらかな失敗エピソードに見えるが、僕は一連の出来事をさほど後悔していない。いつ思い返しても、頭の中で何回やり直しても、僕は卒アルに「袖ビーム」と書いていたと思う。クイズに入り浸って、意味のわからないことを卒アルに書くようなマトモじゃない人間、"として見られている"ことを心のどこかで確信していたから。おそらくあの苦笑いがベストの反応だったろうと思っている。

でもやっぱり後悔はしてないとはいえ、二度と似たようなことをやりたくはないな……というのを、その日に卒アルを持って行きそびれたせいで白紙の寄せ書き欄を見る度に思い出す。

って書くと綺麗にオチが着くけど、半蔵門線に乗ってるのが確定してるせいでこれ使えないな……

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