【感想】my stardust...親子の絆と深い闇…「STAR WARS story:ローグ・ワン」
ありがとう、日テレと金曜ロードショウ。
映画館で観て以来のノーカットローグワン。
金曜ロードショウはカットしやがってこんにゃろ~~案件が多いのですが、ノーカットなのは控えめに言って神です。
ありがとう日テレ。
このノリで応援上演やってくれませんかね()。
STAR WARS大好きな私ホイホイですね。
ということで、今日は金曜ロードショウで観たローグ・ワンの感想です。
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【基礎情報】
監督: ギャレス・エドワーズ
主な俳優:フェリシテ・ジョーンズ、ディエゴ・ルナ、リズ・アーメッド、ベン・メンデルソーン、チアン・ウェン、ドニー・イェン、マッツ・ミケルセン
公開年:2016年
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【全体を通しての感想】
この作品、本当に切羽詰まった危機感が良く表現されているテンポ感と親子の絆、そして本編では決して描かれない”良い人たち”である反乱軍の暗部、それらが魅力だと思います。
…めちゃくちゃ魅力が詰まってて語り切れないので、今回全体を通しての感想はカットしますね。
個別具体的に語りたいんです。
だってスターウォーズだもの。
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My stardust
ゲイレンんんん…。
タイトルも神がかったセンスがありますが、my stardustってなんですか、ロマンじゃないですか。
意味としては、星屑以外にも恍惚とかいった意味があるそうですが、STAR WARSのstarとかかって、父の娘への愛情が伝わってきます。
そしてstarと言えばSW随一の悲劇の夫婦であるアナキンとパドメのテーマはacross the stars、つまり星/運命を越えてと重なり。
my stardust
その一言だけでどれほどの人が泣いたんでしょう…。
そして、ジェダ破壊のため容赦なく始動するデススターの容赦のなさもまた魅力です。
my stardust
そう繰り返しながらジンにメッセージを伝えるゲイレンとデススターの事典が同時。
ゲイレンのメッセージを聞きながらデススターがその威力を発揮しようとする様は観っていて、いかに反乱軍に残された時間が少ないのかという事をひしひしと観客に伝えます。
ジェダの破壊以降も彼らに残された時間が少ないことがひしひしと。
降伏するべきだと主張する反乱軍の議員。
(正直な話、シス師弟が降伏した議員を見逃す訳ないんだよなあ()。内心の自由も認めませんから。)
そこでジンのスピーチが始まるわけですが、ここで私はA New Hopeっていうけれども、それはルーク1人で成り立った希望ではないんだなと思いました。
ジンの演説により絶望しきった大人たちが再び決起し、多大な犠牲を払って初めての勝利を挙げ、その成果をレイアが繋いで、最後のジェダイの生き残り(卵)であるルークが新たなる父親になったと。
実は私、SWはアナキンが最推しなんですが、アナキンがアニメ・クローンウォーズでこう言っています。
There's always Hope.
(モーティス回)
残念ながら彼は堕ちてしまいましたが、彼が信じた希望を再び燈し、新たなる希望に繋げる物語だったんだな、って思いました。
そして同時にスピンオフ小説『ブラッドライン』の内容も思い出しました。
既に50歳近くになったレイア。
RotJの彼女は23歳で当時息子のベンが23歳。
ということは彼女は46歳でしょうか。
丁度父親の享年を越したあたりの彼女は政治が停滞していたことに気づき、政界引退を冒頭で考慮し始めるのですが、多分その根はこういうところにあったんじゃないかなと思います。
AtoCでポピュリストの娘とは対照的にセントリスト的思想を持つと述べられているアナキンですが、先日邦訳された『オビ=ワン&アナキン』でもその理由の一端が垣間見えます。
TPMのパドメによれば共和国で禁じられているはずの人身売買を行う元老院議員。
その姿を彼はパルパティーンにそそのかされて訪れた地下街で観てしまいます。
正に共和国の腐敗。
しかも若きジェダイ見習い(SW界最強の男)の地雷を踏みぬいているっていう。
TCWでも腐敗のために終戦に漕ぎつけられない様が描写され、小説版RotJでは反乱軍幹部が中心となってまとめた「2千人の嘆願書」の殆どが熱心でもなく中心メンバーという長い物には巻かれろ精神でいたことが提出時に居合わせたアナキンによって看破されます。
厳しいことを言ってしまえば、パルパティーンが台頭した時点で、反乱を起こすという試みが長続きしないことが分かっていたんでしょうね。
だから、RotJまでそこまで直接的に関与してこなかったと。
間違いなく、ジンの存在は親子の愛を度外視する皇帝の誤算の始まりであったと思います。
逆に言えば、この勇敢な行為の積み重ねによって成功した反乱であり、腐敗の温床から端を発している以上、『ブラッドライン』の状態は避けられないことであったと思います。
…話はずれますが、親子愛によって始まった誤算は同じく親子愛によって幕を閉じるのはとてもエモい、エモいんですが。
皇帝よ、どうしてそこまで親子愛を無視できるんだ。
そう、親子愛と言えば、この設定何が憎いって父親と娘の絆が重要なところです。
別に母親と息子でも良かったと思います。
でもそうしなかったのって、やっぱりアナキン/ヴェイダーとルークという元祖親子が存在し、父親を許せない娘・レイア。
おういうところもひょっとしたら意識しているのかな、って思います。
なにより、皇帝を最終的に打倒したのはアナキンの息子への無償の愛なわけですが、それを蘇らせるそもそもの契機がジンの父親への無償の愛というのが最高にエモい。
STAR WARSはそもそもルーカスが父親にコンプレックスを持っていたことが制作の契機とも聞きます。
正に親子の物語だなあとローグ・ワンを観て思いました。
反乱軍のためにこれまで手を汚してきた
キャシアンのこのセリフですが、『ブラッドライン』でレイアが同僚の議員から「過激すぎた」と指摘するシーンもあり、ほろりとしてしまいました。
というか、重要なのがローグ・ワンでも登場するソウ・ゲレラ、そして反乱者たちにも出てくるアソーカと少しRotJにも出てくるレックスは元々アナキンが指導した歴戦の兵です。
実は倒すべき敵に敵の倒し方を習っていたという笑。
実際アナキンもそこそこ過激なきらいがある上に暗部的なこともしているので、そんな彼に倣った戦い方はそもそも完全に白とは言い切れない戦い方が多いでしょう。
それでもなお暗部がある。
そんな暗部が居なければなし得なかったヤヴィンの戦い。
表舞台にしか立たない人たちはどんな気持ちだったのでしょうか。
そして、残された暗部のことが心配にもなります。
…そしてそこを皇帝にエンドアの戦いで突かれたんだろうな…。
愛すべき中間管理職・クレニック長官
…出演シーン殆どにおいて、大抵ひどい目に合うのなんなんでしょうね。
ライラに打たれ、ターキンにパワハラ2回され、ヴェイダーに首絞められ、キャシアンに打たれ、そしてデススターの直撃。
正に中間管理職。
いやあ、なんというか存在が良いですよね…。
何かと不憫wwwってなりますが、小説版では殺される直前に弱点を掴んだあたり、流石の優秀さです。
最も歴史に殆ど名前は残しませんでしたが。
推 し が い た
多少なりともヴェイダーが好きな人ならば、興奮不可避。
それがローグワンです。
入浴シーンに始まり、「途中で息を詰まらせないように(首絞めながら)」からの無双。
ありがとう、ルーカスフィルム。
なんでも登場遅めなのはあまりにも存在感が大きすぎるからだそうですが、そりゃそうだ。
そして計10分に満ちているかどうかな登場で全部持って行ったわれらがヴェイダー卿。
最高か。
ローグワンが最凶にヴェイダーが怖いといわれるのも納得です。
というか、皇帝がシスであることを隠している以上、殆どフォースを使える人がいないのに技能として使いこなすという事自体が恐怖です。
てか、サイレンが静かになり、暗くなる空間、暗闇から響き渡る呼吸音。
そしてゆっくりと起動されるライトセイバー怖いわ。
それに戦い方が本当に怖いんですよねえ…
アナキンは回転や素早さとかが売りな戦い方ですが、そのために必要な柔軟性やしなやかな体はサイボーグ化で失われました。
その代わりに重量重視な圧倒的なパワーで叩き潰す戦い方へ。
その様子は反乱者たちからも分かりました。
が、誰がアナキン風の戦い方を残すヴェイダー卿を見ると期待したでしょう。
天井に敵を張り付けて倒すのも、一直線に切り込むのも全部TCWで披露しているんだよなあ。
しかも扉が閉まる直前のライトセイバー使いの手首の鮮やかさは正にアナキンの戦い方、シエン/ドジェム・ソ風。
いや~~~良い意味で裏切られました。
(そもそもシエンがブラスター偏向に最適とか、あんまりポーズらしきポーズを戦闘前に取らないとか共通点はもっとあるだろうとか言ってはいけない。)
ですが、勿論ほっこりポイントもあって、スカリフの戦いに来るのが大幅に遅れたヴェイダー卿っていう。
ムスタファ―から来たというのもあると思いますが、にしてもデータの転送が終わったあたりに来るっていう。
パドメはTCWで「また遅れたのね」って言ってましたが、また遅刻癖発揮したんですかね()。
何はともあれ、小説版ではスカリフの戦いでのヴェイダー無双は殆ど描写が省かれているのもまた良きです。
いや、あれは映像という表現手法ならではの恐怖です。
余談ですが、ローグワンで頑張る中心メンツの中で、当時41歳のヴェイダーは下から数えて4番目くらいの若さです。
多分普通の軍人だったのならパワハラかましてきかねないクレニック(51歳)にむしろこちらがとパワハラする41歳(ものすごく怖い)。
普通にパワーワードです。
そしてジン、キャシアン、ボーディーという若手を抜いたとしても、ゲイレン、クレニック、チアルート、ベイズらといったクローンウォーズの悲惨さを知り、当時を戦い抜いたおっさんたちが頑張り、華々しく散っていきます。
逆に言えば、こうして伝説は出来上がっていくんだろうなあとも思います。
他にも言いたいことはたくさんありますが、最後に一言。
ローグワンは良いぞ。
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