見出し画像

諦らめの早さを見習いたい

私が初めてラオスに来た20数年前に比べれば、格段に頻度は減ったものの、未だに、私の住んでいるパクセーでは、たまに停電がある。
電気が足りなくて停電になるのではなく、ほとんどの場合、電線や送電設備の破損とか故障とか、その修理とか。

つい先日も、午前中に数時間、停電した。

ちょうど出かける用意をしよう!と立ち上がった瞬間、電気が消えた。

午前中だったので、暗くはないから、動けない訳ではないんだけど、バスルームは日が入らないので、電気を付けないと、昼間でも真っ暗。
ということで、顔を洗えない。
水道も、止まってる訳ではないんだけど、ポンプで汲み上げてるので、今溜まってる分を使ってしまうと出なくなるで、トイレ用に置いときたいから、使えない。

季節的にはそんなに暑くない時期なので、エアコンを付けなくても、しばらくは耐えられるけど、ちょうど暑くなる時間帯なので、だんだん暑くなってくる。

そして、出かける前に洗濯物を干していこうと思って、洗濯機もまわしてた。
あと10分で終わるところだった…

もちろん、ネットも落ちてWiFiは使えない。
スマホの4Gは使えるけど、テザリングしてまでパソコンで動画の続きを見るのはデータの無駄遣いな感じがするし、でも手持ち無沙汰なのでスマホをいじりつつ。

停電は、数分で復旧することもあれば、数時間、復旧しないことも。

とりあえず、ちょっと待つか…と落ち着いてはみたものの、既に30分。
そして、気付けば1時間。

当初の予定としては、洗濯機をまわしておいて、その間に出かけるを準備して、洗濯物を干してから出かけて、用事を済ませて、外でランチして、買い物もしてから、帰宅のはずだった。

すでにお昼どきで、お腹も減ってきた。

ここのところ、複数の案件を同時進行でやっていて、でも、なかなかスムーズに進まず、誰のせいでもないんだけど、なんとなく落ち着かない気分で。
でも出来ることから片付けよう!と思って、用事を済ませに外出する予定のところで停電。
またかよ!と思って、さすがにちょっとイライラしてくる。

でも、自分でコントロールできないことで精神を害しても意味ないから、「とりあえず、落ち着け」ってことなんだと、自分に言い聞かせる。

停電なんて、自分ではコントロールできないこと。
停電なんだから、しょうがない。
ものごと、1日や2日、遅れたところで、誰も死にやせん。

と思い始めたら、少し気が楽になる。

なんとなく、気持ちだけが焦ってるけど、自分でなんとかできる部分はもうやってるし、そうじゃない部分は自分ではコントロールできないんだから、私が焦ったところで、何も変わらない。

こういう時の
"不可抗力のことに焦ったってしょうがないんやから、気長に待ってましょ"
っていう、ラオス人の諦らめの早さというか、潔さというか、そいうのは見習うべきだと常々思っている。

日本人なんかは、一見、事態を受け入れて、諦めたように見せかけつつ、実は心の中では焦っていたり、イライラしていたりすることが多いけど、多くのラオス人はホントに焦っていない。

もちろん、ラオス人の中にも、短気だったり、すぐにイライラしてしまったりする人もいるけど、日本人に比べたら、格段に少ない気がする。

まあ、多くのラオス人は、頭で考えて、自分を納得させた上で、そうしている訳ではなくて、自然とそうなっているんだと思う。
だから、私みたいに、頭で考えて、自分をコントロールして、「しょうがないんだ」と自分に言い聞かせて「諦めよう」と頑張っている時点で、まだまだその境地には達していないんだなあと思ったり。

それでも、日本にいた時に比べれば、随分、気が長くなったし、状況を受け入れる心持が身についてきたと思う。
自分の気持ちが楽になるし、ストレスも軽減するし、人にも当たらなくなるし、私的には、もっとすんなり状況を受け入れられるようになりたい。

日本人の中には、この諦めの早さとかを見て、逆にイライラしてしまう人もいるし、受け入れられない人もいるし、その気持ちも分からないでもない。

ただ、私が見習いたいと思っている、この「諦めの早さ」というのは、「頑張らないこと」とか「根気がないこと」とは違っていて、「頑張ればなんとかなることをやらない」ということではない。

まあ、そもそも、「頑張ること」自体が「善」だという前提が正しいかどうかは、また別の問題で、私自身は「頑張らないこと」もありだと思っているのだけれど。

私みたいに、自分ではコントロールできないことを考えて、ストレスを溜めてしまったり、イライラしてしまったりする人は少なくないと思う。

私もまだまだ、自然に状況を受け入れることは出来ていないけど、自分の精神安定のためにも、これからも、いい意味での、このラオス人の「諦めの早さ」を見習っていきたいと、改めて思った。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?