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オークパンサー、そして乾季の到来

先週の10月21日は、オークパンサーでした。

「オークパンサー」とは、日本語で言うと「出安居」(「雨安居明け」とも言う)

ちなみに、「カオパンサー」は「入安居」(「雨安居入り」とも)で、今年は7月24日でした。
(日にちは陰暦で決まるので、毎年、異なります)

「カオ」は「入る」、「オーク」は「出る」という意味です。

このカオパンサーからオークパンサーの間は「パンサー(雨安居)」と言って、僧侶が寺に籠って修行をする時期になります。

この7~10月の3か月間は、ちょうど雨季の一番雨が激しい時期と重なっています。
仏教の生まれたインドでも、この時期が雨季で、もともと、この雨季の間は足場が悪くなったり、川が氾濫したりするし、草木や虫が成長する時期なので、動くと、草木や虫を踏みつぶしてしまうかもしれない、ということで、この時期は寺に籠って、動かずに修行する時期になったと言われています。


ラオスでは、このオークパンサーの日は各お寺で托鉢が行われ、次の日には、各地でボートレースが行われます。
このボートレースは、各村や団体が出場して競いますが、同時に屋台や露店が出て、とても賑やかなお祭りにもなります。

基本的にこの雨安居の期間はお祭りなどは開催されませんし、結婚式も行われません。また、敬虔な仏教徒であれば、お酒を断ったりする人もいます。また、雨季の間は、やはり雨のせいで、なかなか屋外での活動がしにくくなりますし、建設工事などもストップしたりもします。

そんな、少し停滞した感じの時期が終わり、オークパンサーが過ぎて、雨が降らなくなれば、建設工事も再開し、田んぼでは稲刈りが始まります。
そして、11~1月は、結婚式シーズンに突入です。

そんな、開放的な気分もあって、オークパンサーは、1年のうちで、ピーマイ(ラオス正月)の次に盛大なお祭りと言っても過言ではない行事です。

でも、今年は、コロナの影響で、主要都市のボートレースは中止になり、私が今までで経験した中で、最も静かなオークパンサーでした。


今年は、気候的には、パクセーでは、雨季の雨の降り始めが少し遅くて、そういう降り始めが遅い年は、後半に雨量が多くなって、洪水などになる確率が高い傾向にあるので、心配していました。
でも、結局、後半もそんなに雨量が増えず、全体的に雨量が例年より少なかったようです。

ただし、ラオスに来た台風の数が多くて、雨季の後半、集中的な豪雨の回数が多かったです。
ラオスは海に面していないので、台風は関係ないと思われる方も多いかもしれませんが、ベトナムに上陸したものが、厳密に言うと熱帯低気圧に変わっていると思いますが、そのまま、ラオスにも流れて来て、日本ほどではないですが、暴風雨に見舞われることがあります。

通常は、そんなに回数が多くはないと思いますが、今年は特に後半、回数も多くて、10月に入ってからも、何度かありました。


そして、オークパンサーの日も、その後も、雨が降ったりしていたので、もしボートレースをやってたら、大変だったなあ、と思ったりしていて、今年はすんなり乾季に入らいないのかなあ、なんて思っていましたが。

今日、洗濯物を干しに外に出たら、明らかに風が乾季の風になっていて。

雨季の場合、「風が吹く=雨が降る」という感じの風なんですが、乾季の風は、カラッとしていて、言葉で説明するのは難しいんですが、明らかに違う風になります。

毎年、この乾季の風を感じると、日本で感じた「秋の始まり」みたいな、少し切ないような、なんとも言えない、感傷的な気分を思い出します。
気温が下がって肌寒くなっていく感じとか、年末に向かって今年の終わりに向かっていく感じとか。

とは言え、下記の記事にも書いたけど、私は雨季より乾季が圧倒的に好きなので、「やっと乾季になったー!」という嬉しさの方が大きい。



ただ、今年は、コロナの影響で、おそらく、年末くらいまでは、このロックダウンが緩和されたり、厳しくなったりしながら、続いて行くんだろうなあ、と思っているので、例年ほど明るい気分というか、活動的な気分にはならないんだけど。

前回の乾季もコロナの影響で、結婚式やパーティなども制限されたり、それでも盛大にやってしまって、感染者が出て、叩かれたりしてたし、外出しやすくなるだけに、感染拡大にならないか若干心配でもあり。

でも、結婚式を予定している人たちからすると、予定も立てにくいだろうなあと思ったり。

何はともあれ、12月の年末には状況が落ち着いて、いい新年を迎えられたらいいなあと、願うばかりです。

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