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往復する動作を一拍子で動く
先日、予備動作についての記事を書きました。
筋肉のゆるみによるタイムロスが、とくに問題になるのは往復の動作。
例えば、手を上下する場合には上げるのに使った筋肉をすぐに緩めたり、緩めていた筋肉をすぐに張ったりするのでタイムロスが生じます。
しかし運動には「行って帰って」の往復動作が多いんですよね。
・予備動作を減らす一拍子の動き
予備動作を減らす工夫の一つが、一拍子の動き(いちびょうし、ではなく、ひとひょうし、と読みます)です。
一拍子とは、動作を一回で終わらせるという意味。どうするかと言うと、往復の動きを、分業します。
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左側は、上げた後、一回止まってから下げることになりますね。
右側は上げるのを肩、下げるのを肘で行います。といって、ただ切り替えるのではなく同時進行。
①>②の動きから、①を減速②を加速して、①<②になると、上がっていた手が途中から下がり始めます。
こうすると、どちらの筋肉の動きも一方通行なので、緩みから張るまでのタイムロスが少なくなります(実際には、切り替えの部分だけが同時進行にしてロスを潰すことが多い)。
つまり「一方通行の動作をタイミングをずらして組み合わせることで、タイムロスを作らない動き方」です。
肘肩の他、腕と肩甲骨で使ったりします。
・でも、動きに制限があるよね
ただ、見てわかるようにこの動きで一拍子の動きができる部分は限られます。動きのバリエーションも少なく、複雑な動きは難しいですね。
そこで、もっと複雑な動きをするには別の方法が必要になります。
組み合わせるのは、以前に書いた記事「剣術の物理 剣は押す・引くだけでけっこう使える」と同じ、重心を使う動きです。
詳しい話は次回。