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地面を蹴らずに回る(1)中心近くで

運動中に身体を回すには、モーメント(回転力)が必要です。
しかし、地面を蹴って回ると、動きのバリエーションが限定されるので、なるべくなら地面には頼りたくありません。

・中心から離れるほど力が必要

同じ重量のものを回すなら、中心に近いところで動かすほど軽く回せます。
ここでは、前足を軸にして、くるっと回る動作を例にします。

普通に考えると図①のような足の動きになりますね。
これは、身体から離れたところにある重量を回転させるのと同じ。円周方向に対して、地面を蹴って加速し、足を踏ん張って減速する必要があります。

・引き寄せて、押し出す

そこで、②の動き。
足を重心に向かって引き寄せたり、逆に押し出したりする動きは、地面から受ける力が小さくてすみます。

足を回すのでなく、後ろ足を引き寄せてから、目的方向へ送り出します。
重りを引き寄せてから方向を調整して飛ばす感じ。
回転の力は両足が接近したところで作用するだけなので、最小ですみます。

回転が終わったところで止めるのも、モーメントを使います。
動作の最後には、両足が広がって遠くにある「重い」状態なので、アンカーになってくれるのです。

動作の全体像をまとめると、以下のような感じ。
 1.後ろ足を引き寄せる
 2.引き寄せた力の余りで体幹を回しつつ
 3.目的方向に足を送り出し
 4.開いた足をアンカーに止まる

動作の結果としては回っているのですが、遠い円弧を通らないことで、回ることに必要なモーメントを最小にしているわけですね。

ちなみに、空手の順突きなどで足を引き寄せてから斜めに出しますが、同じような効果を狙った動作だと思われます。


回る方法については、重力を使う方法、反作用を使う方法などもありますので、次回以降に書きます。

(初出2018年12月8日、投稿にあたって修正)

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