高校生の陸上選手が、急に自己ベストを更新できた理由
かなり前のことになりますが、高校生、大学生を対象に、陸上選手の足を施術して、どれだけタイムが変わるかを実験させてもらったことがあります。
まず100メートルを走って計測、足を整えて、もう一度100メートルを走って計測してもらうという単純な実験です。
十数人テストした結果は、ほとんどの方が
「少し速くなったかな?」
という感じでした。
(効果があったと結論するには、対照群も設定してもっと大人数で実験する必要があります。もし、実験に協力してもいいという陸上競技団体がありましたら、八起堂治療院までご連絡ください)
その中で、記録が大幅に伸びて自己ベストを更新した選手も2人いました。
それまで出たことのなかった記録が出たということでびっくりされたのですが、この2人については明確な理由がありました。
過去のねんざです。
・本当の力が出せた
施術前、これまでのケガについてもアンケートを書いてもらっていたのですが、2人とも数年前にねんざを経験していました。そのため足関節に固さが残り、足先の可動方向が少し斜めにズレていたのです。
施術で固さをとった時、足先の動く方向を修正したので、蹴り出しの方向も正常に近づきました。脚力をロスしなくなったので、走る速度が上がったと考えられます。
つまり記録が伸びたと言うより、もともとの実力が出せるようになった、というのが正しい解釈です。
ねんざのあと、関節に固さが残ることは広く知られています。これは、関節まわりの靭帯や関節包に、貼り付きなどが残っているためです。
そこでリハビリを行って可動域を回復させるのですが、しばしば、動きやすい部分だけが動いて、動きにくい部分が残ってしまうことがあります。
困るのは、固さが残っていても意外と気が付かないこと。先程の2人も慣れてしまってとくに気にしていなかったようです。
自分はどうだろうと気になる方は、テストしてみましょう。
・あなたの足をテストしてみましょう
まずは上下の可動域
つま先を上げた時、指先がくるぶしの高さまで上がる。
つま先を延ばした時、スネから足の甲までがだいたい一直線になる。
のが普通です。
これより狭い場合、左右で動く範囲が違う場合は、固さが残っています。
左右の可動域
左右の足を揃えて伸ばし、内側外側に動かしてみます。左右で動く範囲が違うときは、どこかに固さが残って動きを邪魔しています。
それ以外にも、内がえし外返し、内反・外反などの動きで発見できることもあります。いろいろな動きで左右を比べて見てください。
・もし足に歪みがあったら…
確かめてみて、もし歪みが見つかったら…。
それは、ある意味でラッキーです。
その歪みを取りさえすれば、もっと力が出せる。
あなたに、もっと実力があることを示しているのです!