日本の神様とラベリング理論
今は昔、受験生の頃。
天神さんにお参りに行きました。言わずとしれた学問の神様です。
残念ながら、結果は不合格でしたが。\(^o^)/
長じて家系図を見ることがあったのですが、一番前のところを見たら、書いてあった名前が「藤原」。そらアカンがな!
・天神様は菅原道真公
天神さんの本名は菅原道真、大宰府に左遷されて失意の内に死んだ人です。その後、都で災難が相次いで、菅原道真の祟りと言われました。
左遷の原因を作ったのが藤原家。その子孫が助けてくれと言ってもねえ…。
言っておきますが、皆さんも無関係とは限りません。
藤原の子孫は多くて、日本人の4割を占めるという説もあります。
とくに「加藤」とか「伊藤」とか「藤」の字がつく人は、高確率で藤原家の子孫。合格祈願の際は、ご注意ください!
…冗談ですよ?
・祀られれば、何でも神様
そもそも祟った人が、なぜ祀られて神様になったのか。
実は、祟ったからこそ祀られているのです。
日本の神様には、神話に出てくる「もともと神様」と、後から祀られて神様になった神様がいます。
もちろん尊敬されて神様になることが多いのですが、天神さんのように祟りをなしたため、神様として祀り、鎮めようとしたケースもあります。
面白いのは、周りの人がどう扱うかによって、性格が変わること。
祟る存在だと考えられていると害をなしますが、神として祀られると恵みを与える。
昔話でも、災いをなした存在が
「祀ってくれれば守り神になろう」
と頼むケースがしばしば見られます。最近では疫病の流行を予言して「自分の絵姿を人に見せよ」と言ったアマビエなども、この例になるでしょう。
・信じることの大切さを語っている?
どう扱われるかで性格が変わる日本の神様。大学時代に心理学で習った「ラベリング理論」を思い出します。
それを示すのは、以下のような実験です。
実験を行う人が、いくつかあるクラスのうちの一つを選び、担任に
「実はこのクラスは、知能が高い子供を集めた」
と伝えます。ただし担任にはこれが実験であることを伝えませんし、子供もランダムに選ばれた普通の子供です。
ところが、しばらくすると本当に子どもたちの成績が上がったそうです。
担任がその児童を「優秀な生徒」と思って丁寧に扱うことで、子どもたちが自信を得て、伸びたものと解釈されています。
(いまなら絶対にできない実験ですね)。
優秀な子供として扱われることで、実際に優秀になる。貼り付けたラベルが中身を示すことから、ラベリング理論と言われます。
災いとして扱えば災いとなり。
神として扱えば神になる。
人間関係や子育てにも通じると思うのですが、どうでしょうか?
天神さまも、学問の神様と呼ばれて久しいので、もう祟ることなど無いはずです。つまり、私の不合格は単なる実力不足でした。
m(_ _)m